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ジャック・リヴェット傑作選2024 Jacques Rivette 2024

4月26日(金)~開催

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4月26日(金)~開催

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ジャック・リヴェットこそ
ヌーヴェル・ヴァーグの発火点だ、とトリュフォーは言った。

リヴェットは自分の長編第1作を『パリはわれらのもの』と名づけた。
リヴェットのパリは、ヌーヴェル・ヴァーグで唯一の神秘都市だ。
華やかな風景で観客の目を奪うが、その外見の下に、幻想世界の淵が開く。
主な登場人物は、パリをさまよう美しい妖精のような娘たち。
彼女らは、神秘都市の舞台で、細く敏捷な体に、目も絢な衣装をつけて、自分という役を探求する役者なのだ。
だが、パリではいつも怪しい陰謀が舞台を包みこむ。
彼女らは、仲間と手を組んで、その陰謀の謎を解こうと奔走する。
こうして、リヴェットの映画は予想もつかない冒険ミステリーとなる。
『地に堕ちた愛』の異界に通じる館、『彼女たちの舞台』の閃光のような列車、『パリでかくれんぼ』の突然階段で踊りだす娘たち・・・。
あらゆる細部が、純粋な映画の快楽で私たちを魅了する。

中条省平(フランス文学者・学習院大学教授)

【上映作品】

地に堕ちた愛 完全版(原題:L’amour par terre/1984年/フランス/カラー/176分)

© 1983 LA CECILIA © 2018 Les Films du Veilleur

カメラはほとんど屋敷の敷地を出ることはないが、限られた空間を縦横無尽に使って繰り広げられる心理戦。幻視や幻聴、手品、忽然と“消えた”女の正体。いくつもの謎が散りばめられ、役割やパートナーは絶えず入れ替わり、リアルと虚構は曖昧になる。ジェラルディン・チャップリンとジェーン・バーキンというふたりのミューズを得たリヴェットの遊び心と実験精神満載の愛憎劇。

【STORY】

ある戯曲を改作して上演していた女優のシャルロットとエミリーは、その戯曲の作者クレマンに呼ばれ、彼の邸宅で新作を演じることを提案される。しかしラストは決まっておらず、女性の役はひとつしかない。訳の分からぬまま1週間後の本番に向けて稽古を始めるふたりだったが、屋敷のいわくありげな住人たちと生活を共にするうち、演目と現実がリンクしていることに気づき始める・・・・・・。

脚本:パスカル・ボニツェール、マリル・パロリーニ、シュザンヌ・シフマン、ジャック・リヴェット 
出演:ジェラルディン・チャップリン、ジェーン・バーキン、アンドレ・デュソリエ、ジャン=ピエール・カルフォン、イザベル・リナーツ、サボー・ラースロー
撮影:ウィリアム・ルブシャンスキー、カロリーヌ・シャンプティエ


彼女たちの舞台(原題:La bande des quatre/1988年/フランス・スイス/カラー/162分)

© 1988 PIERRE GRISE PRODUCTIONS © 2017 Les Films du Veilleur

現実と虚構が交錯する、不安な空気がただようミステリーであり、心理ドラマでありながら、名キャメラマン、カロリーヌ・シャンプティエがとらえる官能的な色彩のコントラストに加え、等身大でキュートな彼女たちの衣装にインテリアと、さまざまなディティールも楽しく心踊る一作。演劇学校の先生役に、リヴェット作品に欠かせない名優ビュル・オジェ。主役を演じる女優たち五人の鮮やかな個性にも注目。

【STORY】

女の子だけの演劇学校に通うアンナ、クロード、ジョイス、ルシアの四人組は、パリ郊外の屋敷で共同生活をおくっている。ある日、同じ演劇学校の生徒で、わけありの恋人がいるというセシルが不可解な犯罪に巻き込まれたとの噂が。同じころ、四人の彼女たちに謎めいた男がつきまとうようになって─。男の狙いは?犯罪の正体は?グレーに沈むパリの街。

脚本:ジャック・リヴェット、パスカル・ボニツェール、クリスチーヌ・ローラン
出演:ビュル・オジェ、ローランス・コート、フェイリア・ドゥリバ、ベルナデット・ジロー、イネ
撮影:カロリーヌ・シャンプティエ


パリでかくれんぼ 完全版(原題:Haut bas fragile/1995年/フランス/カラー/169分)

© Pierre Grise Productions, 1995.  © 2019 Les Films du Veilleur

『セリーヌとジュリーは舟でゆく』『北の橋』『彼女たちの舞台』と、女性たちがパリを舞台に、ミステリアスな冒険に繰り出すさまを描くリヴェット監督。
主演の女優たち三人も脚本執筆に参加した。音楽も主役のひとりである本作には、クラブ歌手役でシャンソン歌手エンゾ・エンゾ、そして『修道女』以来20年ぶりのリヴェット映画への出演となる、ヌーヴェル・ヴァーグの女神アンナ・カリーナも特別出演。魅惑の存在感を放っている。

【STORY】

荷物に貼られる「こわれもの注意」、直接的には「高い・低い・傷つきやすい」の原題をもつ本作は、三人のヒロインが図書館へ、公園へ、クラブへ動きまわって、ある時はローラースケートで滑り、歌い、生き生きと舞うミュージカル!パワフルな不良少女ニノン、五年間の昏睡状態から目覚めたルイーズ、「本当の母親」を探しているイダ。そして、彼女らを結びつけるひとりの男・・・・・・。

脚本:ロランス・コート、マリアンヌ・ドニクール、ナタリー・リシャール、パスカル・ボニゼール、クリスティーヌ・ロラン、ジャック・リヴェット
出演:ナタリー・リシャール、マリアンヌ・ドニクール、ロランス・コート、アンナ・カリーナ、アンドレ・マルコン、エンゾ・エンゾ
台詞:パスカル・ボニゼール、クリスティーヌ・ロラン
撮影:クリストフ・ポロック

ジャック・リヴェット

1928年3月1日、フランス北部の都市ルーアンに生まれる。49年にパリのシネマテークでフランソワ・トリュフォー、ジャン=リュック・ゴダール、エリック・ロメールらに出会う。ロメールが主宰するシネクラブ・デュ・カルティエ・ラタン発行の機関誌「ラ・ガゼット・デュ・シネマ」に携わるものの、「カイエ・デュ・シネマ」誌の創刊に合わせ同誌は廃刊、以後「カイエ」誌にて多くの優れた映画批評を執筆。63年から3年間に渡って「カイエ」誌の編集長を務めている。映画監督としては49年に初の短編を、そして56年にはクロード・シャブロル製作で『王手飛車取り』を発表。60年に『パリはわれらのもの』で長編映画デビュー。以降、内容が反宗教的と判断され一時上映禁止となったアンナ・カリーナ主演の『修道女』(66)や12時間を超える長尺作『アウト・ワン』(71)、「不思議の国のアリス」に着想を得た『セリーヌとジュリーは舟でゆく』(74)など、ヌーヴェル・ヴァーグの作家たちの中でも際立って独創性に溢れた作品を手掛ける。その後も『地に堕ちた愛』(84)、『彼女たちの舞台』(88)といった意欲作を発表、中でも第44回カンヌ国際映画祭で審査員グランプリを受賞した『美しき諍い女』(91)は我が国でも多くの観客を集めた。2000年代に入っても創作意欲は衰えず、『恋ごころ』(01)、『ランジェ公爵夫人』(07)などで瑞々しい感性を見せるも、2016年1月29日、パリにて死去。87歳没。


【ジャック・リヴェット傑作選2024】
配給:コピアポア・フィルム