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ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー傑作選

上映中~8月31日(木)※上映終了

© Rainer Werner Fassbinder Foundation

日時

上映中~8月31日(木)※上映終了

料金

一般¥1,900/シニア(60歳以上)¥1,300/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳) ¥1,000/ジュニア(15歳以下)¥800/UPLINK京都会員¥1,100(土日祝¥1,300)/UPLINK京都ユース会員(22歳以下)いつでも¥900/障がい者割引¥1,000

詳細 DETAIL

ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー傑作選

ファスビンダーはナチスから戦後に至るドイツ社会の傷を自らに刻むように多くの映画・戯曲を発表した。その生々しい時代の記録は21世紀の今になっても挑発力を失わない。むしろ我々の時代がようやくファスビンダー追いついたのかもしれない。

渋谷哲也(日本大学文理学部教授/ドイツ映画研究)

37年の短い生涯で、強烈な個性に貫かれた40本以上もの作品を手がけ、ヴェンダース、ヘルツォークらと並んで<ニュー・ジャーマン・シネマ>の代表格と称されたライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督。この度、ファスビンダー美学の極致とも言えるふたつの監督作、『不安は魂を食いつくす』『マリア・ブラウンの結婚』、そしてファスビンダーが原作・脚本・出演を務め、スイスの名匠ダニエル・シュミットが監督した『天使の影』の三作が劇場公開。生きるが故の矛盾や絶望、愛するが故の悲しみ、思わず目を背けたくなるほどの人々の剥き出しの姿をスキャンダラスに、時に露悪的なまでに描き切ったファスビンダー。しかしそこに宿る仄かな光まで捉えた彼の眼差しは、美しい劇薬となって画一的な“幸福”を求める我々の心に深い傷痕を刻むだろう。

【上映作品・スケジュール】

上映開始時間は1週間ごとに発表いたします
 チケット購入等の詳細についてはこちら(FAQページ)をご確認ください。

チケット購入は作品名をクリックし、各作品ページからお進みください

8月18日(金) マリア・ブラウンの結婚
8月19日(土) 不安は魂を食いつくす
8月20日(日) 天使の影
8月21日(月) マリア・ブラウンの結婚
8月22日(火) 不安は魂を食いつくす
8月23日(水) 天使の影
8月24日(木) マリア・ブラウンの結婚
8月25日(金) 天使の影
8月26日(土) マリア・ブラウンの結婚
8月27日(日) 不安は魂を食いつくす
8月28日(月) 天使の影
8月29日(火) マリア・ブラウンの結婚
8月30日(水) 不安は魂を食いつくす
8月31日(木) 不安は魂を食いつくす

不安は魂を食いつくす(1974年/ドイツ/カラー/93分)

© RAINER WERNER FASSBINDER FOUNDATION

第27回カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞。
あまりに美しく残酷な愛の物語、ついに日本劇場初公開。

ダグラス・サーク監督作『天はすべて許し給う』(55)の物語を下敷きに、愛に起因する苦悩や残酷さを鮮やかに描き出した不朽の傑作。ベテラン女優、ブリギッテ・ミラとファスビンダーの愛人であったエル・ヘディ・ベン・サレム(本作の公開直前に事件を起こし服役、後に獄中で死亡。ファスビンダーの遺作『ケレル』は彼に捧げられている)による名演が圧倒的で、アキ・カウリスマキ監督らに影響を与えたとされる。

【STORY】

夫を亡くした初老の白人女性とモロッコから来た若い外国人労働者。
ふたりはごく自然に惹かれ合って結婚するも、世間はそれを許さなかった——。
ある雨の夜、未亡人の掃除婦エミは近所の酒場で年下の移民労働者の男、アリに出会う。愛し合い、あっという間に結婚を決める彼らだったが、エミの子供たちや仕事仲間からは冷ややかな視線を向けられる。年齢や文化、肌の色、何もかもが異なる二人の愛の行方は。

出演:ブリギッテ・ミラ、エル・ヘディ・ベン・サレム、バーバラ・ヴァレンティン、イルム・ヘルマン
脚本:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
撮影:ユルゲン・ユルゲス


マリア・ブラウンの結婚(1978年/ドイツ/カラー/120分)

© RAINER WERNER FASSBINDER FOUNDATION

戦争末期の混乱の中で、永遠の愛を誓ったマリアの数奇な人生。
運命に翻弄されながらも逞しく生き抜く女性の姿を、戦後ドイツの復興とともに描いた
ファスビンダーの代表作。

鳴り響く銃声や爆撃音とウエディング・ドレスのコントラストが衝撃的なオープニングに始まり、鮮烈なイメージが怒涛のごとく押し寄せる究極のメロドラマ。戦争末期からドイツがめざましい復興を遂げる1950年代半ばまでの約10年間にわたるヒロインの生き様が活き活きと描かれる。波乱万丈な運命を辿るマリアを艶やかに演じたのはファスビンダー映画常連のハンナ・シグラ。本作で第29回ベルリン映画祭銀熊賞を受賞した。

【STORY】

ファスビンダーの名を世界に轟かせた大ブレイク作にして究極の<女性映画>。第二次世界大戦の真っ只中、マリアは恋人のヘルマンと結婚式を挙げるが、ヘルマンはすぐに戦線に戻り行方不明になってしまう。新たなパートナーとともに戦後の混乱を乗り越えていこうとするマリアだったが・・・・・・。

出演:ハンナ・シグラ、クラウス・レーヴィッチュ、ギゼラ・ウーレン、クラウス・ホルム
脚本:ペーター・メアテスハイマー、ペーア・フレーリヒ
撮影:ミヒャエル・バウハウス


天使の影(1976年/スイス/カラー/101分)

© RAINER WERNER FASSBINDER FOUNDATION

ファスビンダーの戯曲を映像化した『ヘカテ』のダニエル・シュミット監督作、
待望の日本劇場初公開。

反ユダヤ的とされ非難を浴びながらも、今なお世界中で繰り返し上演されるファスビンダーの戯曲「ゴミ、都市そして死」を、親友でもある『ラ・パロマ』(74)、『ヘカテ』(82)のシュミット監督が映画化。主演はファスビンダーと一時期結婚していたイングリット・カーフェン。露骨な台詞が散りばめられ、絶望に満ちた物語ながら、名キャメラマン、レナート・ベルタが描き出す退廃美に溢れた映像は限りなく素晴らしく、全編に夢のような心地がたゆたう。

【STORY】

ふたりの男性の間で揺れ動く、ある娼婦の歪んだ愛。とある都会の片隅に立つ娼婦リリーは、その繊細な性格から仲間内では浮いた存在。家に帰ればヒモ男ラウールに金をせびられる日々。そんなある日リリーは闇社会の大物であるユダヤ人に見初められるが、次第に破滅願望が強くなっていく。

監督:ダニエル・シュミット
出演:イングリット・カーフェン、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー、クラウス・レーヴィッチュ、アードリアン・ホーヴェン
脚本:ダニエル・シュミット、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
撮影:レナート・ベルタ


【ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー傑作選】
主催:マーメイドフィルム
配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム
宣伝:VALERIA