ローラーとバイオリン【タルコフスキー特集2026 超域の映像】 Katok i skripka/The Steamroller and the Violin
タルコフスキーが全ソ国立映画大学卒業制作としてつくった第一回監督作品で、アルベール・ラモリスの『赤い風船』に刺激されたと言われている。大学同窓の盟友アンドレイ・ミハルコフ=コンチャロフスキーと一緒に脚本を執筆。エリート少年と労働者の青年が織りなす交流を、みずみずしいタッチで描く。
バイオリン大好き少年サーシャは、近所の少年たちにいじめられているところを、青年セルゲイに助けられる。セルゲイはローラーで整地作業をする労働者だったが、これをきっかけに二人は友だちになり、サーシャは労働を知り、セルゲイは音楽に心を開かれてゆく。だが、二人で映画を見ることをサーシャの母親は反対するのだった…。

『ローラーとバイオリン』Katok i skripka/The Steamroller and the Violin
(1960年/ソビエト/46分/カラー)
監督:アンドレイ・タルコフスキー
出演:イーゴリ・フォムチェンコ
脚本:アンドレイ・コンチャロフスキー、アンドレイ・タルコフスキー

1932年4月4日、旧ソ連ヴォルガ川流域のイワノヴォ地区、ユリエヴェツの近郊ザヴラジェ生まれ。父は詩人として著名なアルセーニイ・タルコフスキー。幼くして両親が別れ、以後、母親に育てられる。
1962年、長編映画第一作『僕の村は戦場だった』を監督。ヴェネチア国際映画祭でサン・マルコ金獅子賞を受賞。1967年にはロシアの伝説的な画家を描いた『アンドレイ・ルブリョフ』のシナリオを完成させるが、歴史解釈をめぐってソ連当局の激しい批判を受け、5年間上映を禁止される。一方で同作品は1969年のカンヌ国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞。ソ連では1971年12月にモスクワで公開された。その後も『惑星ソラリス』(1972)、『鏡』(1975)、『ストーカー』(1979)と映画史に傑出する作品を世に送り出し、世界的な評価を確立。しかしソ連国内の厳しい検閲は依然としてあり、はじめてソ連国外で製作された長篇第6作が『ノスタルジア』(1983)である。翌年完成し、カンヌ国際映画祭に出品されると特設された「この映画の創造に対する特別大賞」など受賞。ロンドンでオペラ「ボリス・ゴドゥノフ」を演出した後、1984年、事実上の亡命を宣言。1986年にスウェーデンとフランスの合作映画『サクリファイス』が完成。カンヌ国際映画祭で審査員特別大賞、国際映画批評家連盟賞、エキュメニック賞、芸術特別貢献賞を受賞。同年12月29日、肺がんのためパリにて死去した。享年54歳。葬儀はパリの聖アレクサンドル・ネフスキー寺院で執り行われた。
Filmography
1960 『ローラーとバイオリン』 Katok i skripka
1962 『僕の村は戦場だった』 Ivanovo detstvo
1967 『アンドレイ・ルブリョフ』 Andrey Rublev
1972 『惑星ソラリス』 Solyaris
1975 『鏡』 Zerkalo
1979 『ストーカー』 Stalker
1983 『ノスタルジア』 Nostalghia
1986 『サクリファイス』 Offret