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【市川雷蔵映画祭 刹那のきらめき】

5月16日(金)~6月5日(木)開催

©KADOKAWA

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5月16日(金)~6月5日(木)開催

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映画デビュー70周年記念 市川雷蔵映画祭 刹那のきらめき

『羅生門』ほか日本の時代劇映画を世界に送り出した大映京都の高い技術力。日本文学の人気作・話題作を映画化し、数々の名作を生み出した大映東京の企画力とセンス。そして雷蔵の歌舞伎役者としての素養に裏打ちされた豊かな表現力と、幅広い役柄をリアルに具現化する高い演技力。37歳で世を去った市川雷蔵が15年間の映画俳優人生で残した約160本の映画は、プロフェッショナルたちが腕によりをかけて創り上げた“極上の夢”です。
監督、撮影、脚本、音楽、照明、編集、セットに衣装と、ここには書ききれない各分野のプロが高い技術力と洗練されたセンスを存分に発揮し残した珠玉の「雷蔵映画」、心ゆくまでお楽しみください。

市川雷蔵プロフィール

1931年8月29日、京都生まれ。生後間もなく市川九団次の養子となり、1946年に大阪歌舞伎座で市川莚蔵として初舞台を踏む。1951年市川寿海の養子となり、同年6月大阪歌舞伎座「白波五人男」で襲名披露、市川雷蔵を名乗る。
1954年に大映入社、『花の白虎隊』で映画デビュー。時代劇から現代劇まで、多様な役柄をリアルに具現化する高い演技力と品格ある佇まい、美しい殺陣で一世を風靡。数多の映画賞を受賞し、映画スターとして確固たる地位を築いた。
自身主宰の劇団による公演を企画するなどさらに活躍の場を広げようとしつつあったが、1969年7月17日、病により逝去。享年37歲。
没後も「眠狂四郎」シリーズをはじめとした時代劇、『炎上』、『破戒』等の文芸作で多くのファンを魅了。90年代以降も定期的に国内で特集上映が実施されている。
2024年春にはMoMA(ニューヨーク)で『剣』3部作が上映、シネマテーク・フランセーズ(パリ)での三隅研次監督特集でも雷蔵出演作が多数上映される等、海外での評価もより高まっている。


【上映作品】

花の白虎隊
(1954年/モノクロ/91分)


©KADOKAWA 1954

雷蔵の記念すべき映画デビュー作!白虎隊の青春を描いた傑作群像劇
歌舞伎界の雷蔵、長唄界の杵屋勝東治次男・勝新太郎、新派の花柳章太郎次男・花柳武始など、各界のホープが本作でデビュー。父母のため、恋人のため、郷土のため・・・飯盛山を血と涙で染めた会津白虎隊たちを若き日のスター達が熱演。

監督:田坂勝彦
共演:花柳武始、勝新太郎、峰幸子、小町瑠美子、入江たか子
脚本:八尋不二
撮影:牧田行正
美術:太田誠一
音楽:渡辺浦入


新・平家物語
(1955年/カラー/107分)


©KADOKAWA 1955

溝口健二監督×雷蔵で描く青年・清盛の熱く激しい青春!
数多のスターが候補に挙がる中、主役・平清盛役を射止めたといわれる雷蔵。眉太く勇ましい若武者姿で、白塗り二枚目路線からの脱皮を図った意欲作。青年時代の平清盛の葛藤と共に、武士階級が公卿に取って代わった時勢の動きを体感できる歴史大作。

監督:溝口健二
共演:久我美子、林成年、木暮実千代
原作:吉川英治
脚本:依田義賢、成沢昌茂、辻久一
撮影:宮川一夫
美術:水谷浩
音楽:早坂文雄


いろは囃子
(1955年/モノクロ/80分)


©KADOKAWA 1955

深川木場を舞台に情感たっぷりに描く哀しいラブストーリー
バクチ、火つけとしたい放題をしつくしたおたずね者の平太(雷蔵)は、流れ者の女(山根寿子)と出会い、入水自殺を図る。別々に助けられた2人はそれぞれ別の人生を歩むことになるが・・・。デビュー2年目の若き雷蔵のフレッシュな魅力が溢れる一作!

監督:加戸敏
共演:峰幸子、山根寿子、菅井一郎、三井弘次、沢村貞子
原作:額田六福
脚本:衣笠貞之助、犬塚稔
撮影:竹村康和美術:太田誠一
音楽:西梧郎


朱雀門
(1957年/カラー/100分)


©KADOKAWA 1957

雷蔵×山本富士子×若尾文子のスター共演!将軍に降家した皇女・和の宮の秘められた恋
徳川将軍との政略結婚のため、孝明天皇の妹・和の宮(若尾)は有栖川宮(雷蔵)との婚約を破棄することに・・・
密かに有栖川宮に恋していた和宮の侍女・夕秀(山本)も心揺れて—。幕末の京都と江戸を背景にきらびやかな衣装を纏った美しき3人が紡ぐ悲恋絵巻!

監督:森一生
共演:若尾文子、山本富士子、三宅邦子、東野英治郎
原作:川口松太郎
脚本:八尋不二
撮影:宮川一夫
美術:西岡善信
音楽:斎藤一郎


源氏物語 浮舟
(1957年/カラー/118分)


©KADOKAWA 1957

長谷川一夫×雷蔵×山本富士子共演!自信家の平安貴公子・雷蔵の妖美に酔う—
ヒロイン・浮舟(山本)が慕うのは、優しく愛を囁く薫の君(長谷川)か、それとも激しく官能に誘う匂宮(雷蔵)か・・・。大映京都の洗練された技が光る宮殿、庭苑、調度、衣裳と共に味わう源氏物語「宇治十帖」の世界。豪華俳優陣の眉毛を剃り落とした高眉、お歯黒姿も新鮮。

監督:衣笠貞之助
共演:長谷川一夫、山本富士子、乙羽信子、中村鴈治郎、三益愛子
原作:北条秀司
脚本:八尋不二、衣笠貞之助
撮影:竹村康和美術:太田誠一、山田伸吉
音楽:斎藤一郎


炎上4Kデジタル修復版※当館は2K上映
(1958年/モノクロ/99分)


©KADOKAWA 1958

三島由紀夫の「金閣寺」を映画化!雷藏現代劇第1作目
吃音の青年僧・溝口(雷蔵)は、なぜ国宝に火をつけねばならなかったのか—監督・市川崑、脚本・和田夏十・長谷部慶治、撮影・宮川一夫による雷蔵の現代劇初挑戦となった意欲作。雷蔵は本作でキネマ旬報ベスト・テン男優賞を受賞するなど大きく飛躍した。

監督:市川崑
共演:中村鴈治郎、仲代達矢、新珠三千代、浦路洋子、中村玉緒
原作:三島由紀夫
脚本:和田夏十、長谷部慶治
撮影:宮川一夫 美術:西岡善信 音楽:黛敏郎


弁天小僧 
(1958年/カラー/86分)


©KADOKAWA 1958

“知らざあ言って聞かせやしょう”雷蔵の名セリフも鮮やかな傑作時代劇!
歌舞伎狂言「白浪五人男」に材を取り、宿命に殉じる弁天小僧菊之助(雷蔵)の生きざまを描いた一作。若衆姿から文金島田の娘姿まで雷蔵が歌舞伎役者の素養を遺憾なく発揮。伊藤大輔監督が魅せる御用堤燈の海と瓦の波—。画面に息づく大江戸の世界は圧巻!

監督:伊藤大輔
共演:勝新太郎、青山京子、阿井美千子、近藤美恵子、島田竜三
脚本:八尋不二
撮影:宮川一夫
美術:西岡善信 音楽:斎藤一郎


お嬢吉三
(1959年/カラー/81分) 


©KADOKAWA 1959

歌舞伎を大胆に脚色一雷蔵の多才な魅力を堪能できる娯楽大作!
雷蔵がお嬢姿でタンカを切って、股旅姿でウットリさせて、喧嘩姿で斬りまくる!チンピラやくざのお嬢、お坊、和尚の三人吉三が、幼馴染のお美和(中村玉緒)らも巻き込んで大暴れ!田中徳三監督のスピーディな演出が冴える、江戸情緒溢れる痛快時代劇。

監督:田中德三
共演:島田竜三、北原義郎、林成年、補路洋子、中村玉緒
脚本:犬塚稔
撮影:今井ひろし
美術:西岡善信
音楽:斎藤一郎


薄桜記4Kデジタル修復版※当館は2K上映
(1959年/カラー/110分)


©KADOKAWA 1959

これぞ、究極の悲壮美—雪を血に染め片腕で戦う雷蔵の殺陣は必見!
妻のため、片腕を失いながらも戦い抜く美しき剣士・丹下典膳(雷蔵)と典膳の妻・千春への叶わぬ恋に破れ、赤穂浪士となった堀部安兵衛(勝)。運命に翻弄される2人の友情と生きざまを、脚本・伊藤大輔、監督・森一生と当時の大映時代劇の名手たちが元禄情緒たっぷりに描いた名作。

監督:森一生
共演:勝新太郎、真城千都世、三田登喜子
原作:五味康祐
脚本:伊藤大輔
撮影:本多省三
美術:太田誠一
音楽:斎藤一郎


ぼんち
(1960年/カラー/105分)


©KADOKAWA 1960

雷蔵×市川崑監督×大映京都が描き出した、船場商人の生き様
激動の戦前・戦後を背景に市川雷蔵が軽妙な演技で魅せる、華麗なる女性遍歴。京マチ子、若尾文子、草笛光子、山田五十鈴、越路吹雪ら女優陣との丁々発止は愉快痛快。雷蔵の俳優としての幅の広さを堪能できる傑作。原作・山崎豊子、撮影・宮川一夫。

監督:市川崑
共演:若尾文子、中村玉緒、京マチ子、草笛光子、越路吹雪
原作:山崎豊子
脚本:市川崑、和田夏十
撮影:宮川一夫
美術:西岡善信
音楽:芥川也寸志


切られ与三郎
(1960年/カラー/95分)

©KADOKAWA 1960

粋な姿に切られ傷—会った女がみな惚れる!美しき雷蔵与三郎
“いやさ、お富、久しぶりだな”の名セリフで有名な歌舞伎狂言「与話情浮名横櫛」の玄冶店の場面を中心にお富(淡路恵子)と与三郎(雷蔵)の愛憎の流転を描いた一作。雷蔵の新内流しも耳福。義妹・お金(冨士眞奈美)との映画ならではの美しいラストシーンも必見。

監督・脚本:伊藤大輔
共演:中村玉緒、冨士真奈美、淡路恵子
撮影:宮川一夫
美術:西岡善信
音楽:斎藤一郎


安珍と清姫
(1960年/カラー/85分)


©KADOKAWA 1960

雷蔵と若尾文子が愛の激しさを謳いあげる道成寺ものの決定版!
紀州道成寺への参籠に出かけた修行僧・安珍(雷蔵)は真砂の里で勝気な清姫(若尾)に出会い、その激しい愛情に大きく運命を狂わす・・・。頭を青々と剃りあげた雷蔵の新鮮な美しさは刮目もの。豪華なセットで魅せる夢幻的世界に酔いしれること間違いなし!

監督:島 耕二
共演:若尾文子、浦路洋子、片山明彦、毛利郁子
脚本:小国英雄
撮影:小原譲治
美術:西岡善信
音楽:大森盛太郎


大菩薩峠4Kデジタル修復版※当館は2K上映
(1960年/カラー/105分)

 
©KADOKAWA 1960

無敵の剣と狂気に限りなく近い非情—雷蔵×三隅研次監督の代表作!
老人を切り捨て、武家の娘を蹂躙し人生を狂わせる机龍之助(雷蔵)。作家・中里介山が生み出したダークヒーローを、雷蔵は持ち味である品と独特の翳により蠱惑的に演じている。本シリーズのヒロイン・中村玉緒は本作では一人二役で大活躍。脚本は衣笠貞之助。

監督:三隅研次
共演:山本富士子、本郷功次郎、中村玉緒、笠智衆
原作:中里介山
脚本:衣笠貞之助
撮影:今井ひろし
美術:内藤昭
音楽:鈴木静一


大菩薩峠 竜神の巻4Kデジタル修復版※当館は2K上映
(1960年/カラー/90分)
 

©KADOKAWA 1960

『座頭市物語』の三隅研次監督によるシリーズ2作目
盲目の龍之助の殺陣は必見!
前作で新選組に所属した龍之助(雷蔵)だが、本作では天誅組に加わる。両眼を失い、ますます凄みと殺気を漂わす音無しの構え—美しさを湛えながら、虚無へ落ちていく雷蔵ならではの龍之助像は必見。兄の仇である龍之助を追う正義感ある青年剣士。宇津木兵馬(本郷功次郎)も魅力的。

監督:三隅研次
共演:山本富士子、本郷功次郎、中村玉緒、近藤美惠子
原作:中里介山
脚本:衣笠貞之助
撮影:今井ひろし
美術:内藤昭
音楽:斎藤一郎


濡れ髪牡丹
(1961年/カラー/90分)


©KADOKAWA 1961

三千人の子分を持つ女親分の婚活の悲喜こもごもが楽しい明朗時代劇!
完璧な夫を求めて婚活中の無敵の女親分・おもん(京)と、武芸百般からお料理まで何でも出来る口八丁、手八丁の旅がらす・八八の瓢太郎(雷蔵)の恋のさや当てをコミカルに、しかし大映らしい品格ある美しさで描いた一作。雷蔵の歌舞伎役者姿も必見!

監督:田中徳三
共演:京マチ子、小林勝彦、小桜純子
脚本:八尋不二
撮影:相坂操一
美術:内藤昭
音楽:塚原哲夫


好色一代男 
(1961年/カラー/92分)


©KADOKAWA 1961

抱いた女は三千三百人!增村監督がスピーディなテンポで描く男の一代記
江戸文学の最高傑作・井原西鶴「好色一代男」を映画化。“日本中のおなごを、よろこばしてやりたいんや”。世間の喧噪はどこ吹く風—女に命をかけた道楽者・世之介(雷蔵)が女を通じ人間の真実を求める姿を描く。若尾文子、中村玉緒、浦路洋子ら豪華女優陣共演。

監督:増村保造
共演:若尾文子、中村玉緒、水谷良重(現・八重子)
原作:井原西鶴
脚本:白坂依志夫
撮影:村井博
美術:西岡善信
音楽:塚原哲夫


大菩薩峠 完結篇4Kデジタル修復版※当館は2K上映
(1961年/カラー/98分)


©KADOKAWA 1961

森一生監督によるシリーズ完結篇思わず息をのむ嵐のクライマックス!
前作で光を失った龍之助。雷蔵は本作では最初から最後まで目を閉じたまま、大きな魅力の一つである“瞳の輝き”を封じ、頬と口元の筋肉の動き、凄味ある声音のみで龍之助の内面を表現。冒頭の約3分間は「前回までのあらすじ」となっており、たとえ前2作を見ずとも楽しめる親切仕様!

監督:森一生
共演:本郷功次郎、中村玉緒、小林勝彦
原作:中里介山
脚本:衣笠貞之助
撮影:本多省三
美術:西岡善信
音楽:塚原哲夫


新源氏物語4Kデジタル修復版※当館は2K上映
(1961年/カラー/102分)


©KADOKAWA 1961

雷蔵源氏と豪華女優陣が魅せる華やかな王朝絵巻!
光源氏(雷蔵)の愛を求めるのは、桐壺・藤壺(寿美花代)、葵の上(若尾文子)、朧月夜(中村玉緒)、末摘花(水谷良重)ら美と個性あふれる女たち。大映京都のセンスと技術を注ぎ込んで表現された平安絵巻の世界はまさに夢のよう―この作品でしか見ることのできない雷蔵演じる光源氏のせつないばかりの美しさはため息もの!

監督:森一生
共演:寿美花代、若尾文子、中村玉緒、水谷良重(現・八重子)、市川寿海
原作:川口松太郎
脚本:八尋不二
撮影:本多省三
美術:西岡善信
音楽:斎藤一郎


女と三悪人
(1962年/カラー/103分)


©KADOKAWA 1962

雷蔵×勝新太郎×山本富士子のスター共演悪い事なら仲よくやるが惚れた女は譲れねえ!
フランス映画「天井桟敷の人々」と歌舞伎「三人吉三」を題材に映画化。泥棒横丁と呼ばれた江戸末期の両国を舞台に、美貌の女役者(山本)と三悪人(雷蔵・勝・大木実)の恋模様を描いた一作。当時の大映京都の隆盛がうかがえる広大なオープンセットと群衆は圧巻!

監督・脚本:井上梅次
共演:山本富士子、勝新太郎、大木実、中村玉緒
撮影:今井ひろし
美術:西岡善信
音楽:鏑木創


婦系図
(1962年/カラー/99分)


©KADOKAWA 1962

三隅研次監督が描く雷蔵の爽やかな美しさが薫る泉鏡花の純愛巨篇—
“切れるの別れるのって、そんな事は、芸者の時に云うものよ。・・・・・・私にゃ死ねと云って下さい”の名セリフで有名な戯曲を映画化。明治の下町を舞台に恋と恩師への義理の板挟みで苦悩する青年· 早瀬主税(雷蔵)と芸者・お篇(万里昌代)の悲恋を描いた一作。

監督:三隅研次
共演:万里昌代、船越英二、三條魔子、木暮実千代、水戸光子
原作:泉鏡花
脚本:依田義賢
撮影:武田千吉郎
美術:内藤昭
音楽:伊福部昭


斬る4Kデジタル修復版※当館は2K上映
(1962年/カラー/71分)


©KADOKAWA 1962

柴田錬三郎原作
“三弦の構え”が光る雷蔵剣戟の到達点!
家族の死、出生の秘密・・・。暗い宿命を背負う非業の剣客・高倉信吾(雷蔵)の流転の人生を描く一作。梅一輪を右手にかざし、斬るでなく舞うでなく、のどをかき切る—雷蔵と鬼才・三隅研次監督は本作で殺陣の新境地を開拓。2人が目指した時代劇の新しい魅力が画面いっぱいに広がる傑作。
監督:三隈研次
共演:藤村志保、渚まゆみ、万里昌代、成田純一郎、天知茂
原作:柴田錬三郎
脚本:新藤兼人
撮影:本多省三
美術:内藤昭
音楽:斎藤一郎


破戒
(1962年/モノクロ/118分)


©KADOKAWA 1962

島崎藤村の代表作を雷蔵×市川崑×和田夏十が映画化した名作
被差別部落出身の教師・丑松(雷蔵)の苦悩を描く文芸大作。雷蔵の哀しみをたたえた演技は必見。差別する人間の心の冷たさを想わせる雪景色など撮影・宮川一夫がその手腕を存分に発揮。本作でデビューした藤村志保の芸名は、本作の役名と、原作者の島崎藤村にちなんだもの。

監督:市川崑
共演:長門裕之、船越英二、藤村志保、三國連太郎、中村鴈治郎
原作:島崎藤村
脚本:和田夏十
撮影:宮川一夫
美術:西岡善信
音楽:芥川也寸志


忍びの者
(1962年/モノクロ/105分)


©KADOKAWA 1962

名匠・山本薩夫監督が一躍“忍者ブーム”を巻き起こした人気作!
織田信長暗殺の密命に巻き込まれ、過酷で非情な忍ぴの世界で生きる忍者・石川五右衛門を雷蔵が熱忍びの長に伊藤雄之助、その妻に岸田今日子、雷蔵と恋に落ちる遊女に藤村志保。けれんみもありつつリアルな忍術シーンなど、山本薩夫の巧みな演出に引き込まれる。

監督:山本薩夫
共演:藤村志保、伊藤雄之助、岸田今日子、西村晃
原作:村山知義
脚本:高岩肇
撮影:竹村康和
美術:内藤昭
音楽:渡辺宙明


4Kデジタル修復版※当館は2K上映
(1964年/モノクロ/95分)


©KADOKAWA 1964

三島由紀夫の原作を雷蔵自ら映画化を企画・主演した力作!
懸命に剣の世界に打ち込む剣道部主将・国分(雷蔵)は、部員にも自身と同じ熱心さを求めるが、相容れない部員たちの反抗が予想外の結末をもたらすー雷蔵のストイックな演技が、剣道に邁進する主人公の魂を浮き彫りにする。三隅研次の格調高い演出と相まって、崇高さすら感じさせる傑作。

監督:三隔研次
共演:藤由紀子、川津祐介、長谷川明男
原作:三島由紀夫
脚本:舟橋和郎
撮影:牧浦地志
美術:内藤昭
音楽:池野成


眠狂四郎勝負
(1964年/カラー/83分)


©KADOKAWA 1964

孤独と剣と艶—シリーズの方向性を決定づけた人気作!
幕政を一新しようとする年老いた勘定奉行に出会い、その用心棒を買って出る狂四郎(雷蔵)だったが・・・。シリーズ2作目にして、雷蔵狂四郎のキャラクターが確立された名作。藤村志保、高田美和ら女優陣との駆け引きも艶やか。名セリフ“豚姫が雪より綺麗な俺の体に触れようなどとは、無礼千万だぞ”は必聴!

監督:三隅研次
共演:藤村志保、高田美和、久保奈穂子、加藤嘉、成田純一郎
原作:柴田錬三郎
脚本:星川清司
撮影:牧浦地志
美術:内藤昭
音楽:斎藤一郎


眠狂四郎炎情剣4Kデジタル修復版※当館は2K上映
(1965年/カラー/83分)


©KADOKAWA 1965

おとりと知りつつ炎の肌を抱く—艶やかな狂四郎の魅力あふれる傑作!
幕府の奥深くに渦巻く陰謀を背景に、サドな姫君やキリシタンを誘惑する町娘、体当たりで狂四郎を狙う鳥追い女らが登場。黒い鳥の襖の前で繰り広げられる狂四郎(雷蔵)とぬい(中村玉緒)のシーンなと、ドラマティックなカメラワークと照明が、4Kデジタル修復によりさらに印象的に。三隅監督が眠狂四郎シリーズのメガホンをとったのは本作が2本目。

監督:三隅研次
共演:中村玉緒、西村晃、姿美千子
原作:柴田錬三郎
脚本:星川清司
撮影:森田富士郎
美術:内藤昭
音楽:斎藤一郎


剣鬼4Kデジタル修復版※当館は2K上映
(1965年/カラー/83分)


©KADOKAWA 1965

原作・柴田錬三郎×監督・三隅研次!その天賦の才は人か、鬼か—
人間と犬との間に生まれた子という出生の秘密を持つ斑平(雷蔵)。花造りの名人として平穏に暮らす彼には、超人的な俊足と剣の腕があった・・・。特異な男の宿命と反抗を、青年のバイタリティとファンタジックなロマンで鮮烈に描く新感覚の娯楽時代劇。

監督:三隅研次
共演:姿美千子、佐藤慶、五味龍太郎、睦五郎、戸浦大宏
原作:柴田錬三郎
脚本:星川清司
撮影:牧浦地志
美術:下石坂成典
音楽:鏑木創


眠狂四郎多情剣
(1966年/カラー/84分)


©KADOKAWA 1966

浮世絵を思わせるドラマティックな構図で狂四郎に酔う!
愛憎入り混じる執着ゆえに、狂四郎(雷蔵)を狙う将軍家の息女・菊姫(毛利郁子)。漆黒の着流しの狂四郎と、花嫁のような白打掛姿の菊姫は対照的な好敵手。伊福部昭の音楽も二人の戦いを盛り上げる。2022年、最新作『殺すな』公開直前に93歳で逝去した井上昭監督作品。

監督:井上昭
共演:水谷良重(現・八重子)、中谷一郎、五味龍太郎、毛利郁子
原作:柴田錬三郎
脚本:星川清司
撮影:竹村康和
美術:上里忠男
音楽:伊福部昭


陸軍中野学校4Kデジタル修復版※当館は2K上映
(1966年/モノクロ/96分)


©KADOKAWA 1966

増村監督が雷蔵と挑んだ和製スパイ映画の名作!
諜報養成機関への所属を命じられた青年将校・三好次郎(雷蔵)は戸籍を抹消され、過酷な訓練を経てスパイへと変貌していく。婚約者(小川真由美)は突然姿を消した彼を探し求めるが・・・。俳優の個性を引き出す増村監督の演出が光る一作。2024年に完成した4Kデジタル修復版は東京国際映画祭にてワールドプレミア、雷蔵祭では今回初上映。

監督:増村保造
共演:加東大介、待田京介、小川真由美、中条静夫
脚本:星川清司
撮影:小林節雄
美術:下河原友雄
音楽:山内正


眠狂四郎無頼剣
(1966年/カラー/79分)


©KADOKAWA 1966

円月剣VS円月剣の死闘!己の鏡のような男に対峙する狂四郎—
大塩の乱の復讐劇に巻き込まれる狂四郎(雷蔵)。共に円月殺法の使い手である黒い着物姿の狂四郎と白い着物姿の愛染(天知茂)は互いに一目置きつつ、最後の決戦へとにじり寄っていく。伊藤大輔の芳醇な脚本と監督・三隅研次の構図と省略の見事さが冴える名作。

監督:三隅研次
共演:天知茂、藤村志保、工藤堅太郎
原作:柴田錬三郎
脚本:伊藤大輔
撮影:牧浦地志
美術:下石坂成典
音楽:伊福部昭


ある殺し屋
(1967年/カラー/82分)


©KADOKAWA 1967

綿密なプロットとカメラワークが冴えるフィルム・ノワールの傑作
一見平凡な小料理屋の主人・塩沢(雷蔵)は高額な金で殺人を請け負うプロの殺し屋という裏の顔を持っていた・・・。脚本・増村保造、撮影・宮川一夫そして監督・森一生の超豪華スタッフが贈る、和製フィルム・ノワールの傑作!凄味漂う雷蔵の抑制した演技も必見。

監督:森一生
共演:野川由美子、成田三樹夫、小池朝雄、渚まゆみ、小林幸子
原作:藤原審爾
脚本:増村保造、石松愛弘
撮影:宮川一夫
美術:太田誠一
音楽:鏑木創


眠狂四郎無頼控 魔性の肌
(1967年/カラー/88分)


©KADOKAWA 1967

“血を流すには美しすぎる・・・”晴天の下、鋭く光る狂四郎の円月殺法!
ポルトガルより天草四郎に送られたと云う秘宝マリアの像をめぐり、狂四郎(雷蔵)の出生の秘密も絡み合うロードムービー。狂四郎と同じ宿命を背負った混血の隠れキリシタン(成田三樹夫)との対決も見どころ。鮮やかな色彩あふれる画作りとケレン味たっぷりの池広一夫監督の演出が冴える秀作。

監督:池広一夫
共演:鰐淵晴子、成田三樹夫、久保菜穂子、金子信雄
原作:柴田錬三郎
脚本:高岩肇
撮影:竹村康和
美術:下石坂成典
音楽:渡辺岳夫


華岡青洲の妻4Kデジタル修復版※当館は2K上映
(1967年/モノクロ/99分)


©KADOKAWA 1967

有吉佐和子の原作を鋭く力強く映し出した増村保造監督の傑作!
世界で初めて全身麻酔による手術に挑んだ医師・青洲(雷蔵)を巡る母・於継(高峰秀子)と妻・加恵(若尾文子)の異様な関係を描いた一作。嫁姑の心情が尊敬と慈しみから嫉妬と執着に変化する様に背筋が凍る。4Kデジタル修復でより鮮明に浮かび上がってきた、登場人物たちの人生とともに変化する衣裳の風合いなど細やかな表現なども必見!

監督:増村保造
共演:若尾文子、高峰秀子、伊藤雄之助
原作:有吉佐和子
脚本:新藤兼人
撮影:小林節雄
美術:西岡善信
音楽:林光


【市川雷蔵映画祭 刹那のきらめき】
配給:KADOKAWA