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アトランティス【ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ監督作品】 Atlantis

上映中~7月21日(木)※上映終了

©Best Friend Forever

日時

上映中~7月21日(木)※上映終了

料金

一般¥1,900/シニア(60歳以上)¥1,300/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳)¥1,000/ジュニア(15歳以下)¥800/UPLINK京都会員¥1,100(土日祝¥1,300)/UPLINK京都ユース会員(22歳以下)いつでも¥900

詳細 DETAIL

現在も続くウクライナ侵略戦争を真正面から描いた、今こそ見るべき物語
ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ監督、2作品同時・緊急劇場公開決定

※『アトランティス』の半券提示で同監督作品『リフレクション』が¥1,600円になります!

2025年の近未来を漂流する元兵士の“生”のはかなさ、

“愛”の尊さを描くディストピア映画『アトランティス』の衝撃

ロシアとの戦争終結から1年後の2025年を舞台にした『アトランティス』は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を負った元兵士の物語。戦争で家族を亡くし、唯一の友人も失った孤独な主人公セルヒーが、兵士の遺体発掘、回収作業に従事するボランティア団体の女性との出会いをきっかけに、自らが“生きる”意味と向き合っていく姿を描く。
従軍経験を持つ主演俳優アンドリー・ルィマルークを起用し、法医学専門家や実在するボランティア団体の協力を得てリアリティーを追求したヴァシャノヴィッチ監督は、戦争がいかに街や大地を破壊し、長期にわたる 甚大な被害を及ぼすかを生々しく伝えてくる。現在のウクライナ情勢において、最大の戦地のひとつとなった南東部マリウポリで撮影を実施し、この都市のシンボルというべき巨大な製鉄所の外観もカメラに収めた。
そして、今のウクライナの惨状と地続きになっているこのディストピア映画は、死に覆い尽くされた世界を漂流する生のはかなさと、そこに芽生えた愛の尊さを鮮烈に映し出す。冒頭とエンディングに配されたサーモグラフィー・カメラによるふたつのショットに、誰もが息をのむことだろう。

【STORY】

2025年のウクライナ東部。ロシアとの約10年におよぶ 戦争によってあらゆる街が廃墟と化し、人が住むには適さないほど大地が汚されたこの国は、何もかも荒みきっていた。製鉄所で働く元兵士のセルヒー(アンドリー・ルィマールク)は、戦争終結から 1年が経った今も PTSDに苦しみ、唯一の友人であるイワン( ワシール ・アントニャック )とともに射撃訓練を行っている。そんなある日、生きる気力を失ったイワンが燃え盛る高炉に身投げし、経営者からは製鉄所の閉鎖が発表された。すでに家族と死別し、どこかに行く宛てもないセルヒーは、水源が汚染された地域に水を運ぶトラックの運転手になった。ぬかるんだ平地で地雷除去作業にいそしむ兵士は、「片っ端から爆破処理をしているが、先は長い。少なくとも 15年から20年はかかる」とつぶやく。その後、セルヒーは車の故障で立ち往生していたカティア(リュドミラ・ビレカ)という女性を近くの街へ送り届けた。戦争前には大学で考古学を学んでいたと語るカティアは、ブラック・チューリップという団体に所属し、無報酬で戦死者の遺体の回収を行っていた。「つらい作業だ。なぜできる?」。セルヒーが問いかけると、カティアは「死者たちのためよ。肉親に別れを告げさせて、彼らの生と戦争を終わらせるの」と答えた。
後日、ブラック・チューリップに加入したセルヒーは、カティアとともに各地の遺体発掘現場を回っていた。すると、セルヒーがかつて命を救ってやった女性がお礼を言いにやってくる。国際的な環境監視組織で活動しているその女性は、復興まで途方もない歳月を要するであろうこの国を去ると告げ、セルヒーにも海外への移住を勧めてきた。「即答はできない」「よく考えて。決心がついたら電話を」戦争後の新たな生活に適応できず、ずっと魂の抜け殻のような日々を送ってきたセルヒーは、ある雨の日、胸の奥底にしまっていた過去をカティアに打ち明け、心のよりどころとなった彼女に“これから”について語り出す。自分たちは何を受け入れ、どこで、いかにして生きていくべきなのか……。

『アトランティス』(2019年/ウクライナ映画/ウクライナ語/109分/シネスコ/デジタル/5.1ch/原題:Атлантида/英題:Atlantis)
監督・脚本・撮影・編集・製作:ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ
出演:アンドリー・ルィマルーク、リュドミラ・ビレカ、ワシール・アントニャック
日本語字幕:杉山緑
字幕監修:梶山祐治
字幕協力:東京国際映画祭
協力:ウクライナ映画人支援上映有志の会
提供:ニューセレクト
配給:アルバトロス・フィルム