上映 MOVIES

SUB MENU

没後15周年【イングマール・ベルイマン監督特集】日本最終上映

上映中~7月7日(木)※上映終了

日時

上映中~7月7日(木)※上映終了

料金

一般¥1,900/シニア(60歳以上)¥1,300/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳)¥1,000/ジュニア(15歳以下)¥800/UPLINK京都会員¥1,100(土日祝¥1,300)/UPLINK京都ユース会員(22歳以下)いつでも¥900 ※『ファニーとアレクサンデル』のみ【特別料金】一律¥2,300

詳細 DETAIL

スウェーデンが生んだ“20世紀最大の巨匠”

スタンリー・キューブリック、スティーブン・スピルバーグ、ジャン=リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォー…今日の巨匠と呼ばれる映画監督たちに尊敬され、世界中から称賛される20世紀が生んだ唯一無二の映画作家イングマール・ベルイマン。ベルイマンの遺した作品にオマージュを捧げる監督は数知れず、没後15年が経った今もなお、ウェス・アンダーソンやミア・ハンセン=ラヴ、アリ・アスター、グザヴィエ・ドランなど、近年の映画作家たちに影響を与え続けています。

「愛と欲望」・「生と死」・「神と宗教の存在」といった普遍的なテーマを軸に、人間の内面に潜む「孤独」や「葛藤」をすくいあげ、人間の本質を追求し続けたベルイマン。独創的で奥深い心理描写と革新的な色彩表現は、登場人物の心の痛みが聞こえるほどに生々しく、観る者の感情を大きく揺さぶります。そして北欧特有の壮大な自然は厳しくもあたたかく、息をのむほど美しいシーンとして登場します。
しばしば難解なイメージが先行する監督ですが、私たちの感性に語りかけるベルイマンのメッセージは現代でも鮮烈な衝撃と喜びを与えてくれるでしょう。
今回、『魔術師』・『仮面/ペルソナ』・『叫びとささやき』日本最終上映にあわせ、ベルイマンの世界を象徴する特集上映を開催します。ベルイマンの至福の世界に浸る、最後の機会を、心ゆくまでどうぞご堪能ください。


それぞれの作品名からご予約ページへ進めます
『鏡の中にある如く』『沈黙』『ファニーとアレクサンデル』は2週目(7月1日(金)~7月7日(木))にて上映予定です


第20回ヴェネツィア国際映画祭 審査員特別賞
魔術師(1958年/スウェーデン/スタンダード/モノクロ/99分/原題:Ansiktet) ※日本最終


(c) 1958 AB SVENSK FILMINDUSTRI

怪奇現象、超能力、交霊術…といったオカルト的要素に科学と呪術、芸術と権力などの二項対立をごった煮で凝縮し、愉快なエンタテイメントへと昇華した初期の到達点。旅廻りのマジシャンの一座と、彼らの見世物のトリックを見破ろうとする役人たちの一夜のいたちごっこを描く。ベルイマンが問う、芸術家とショー・ビジネスの正体。

出演:マックス・フォン・シドー、イングリッド・チューリン、グンナール・ビョルンストランド、ナイマ・ヴィフストランド
撮影:グンナール・フィッシェル


第34回アカデミー賞 外国語映画賞
第12回ベルリン国際映画祭 国際カトリック映画事務局賞

鏡の中にある如く(1961年/スウェーデン/スタンダード/モノクロ/89分/原題:Såsom i en spegel)


(c) 1961 AB SVENSK FILMINDUSTRI

夏、孤島にやってきた4人の家族。狂気へと走ってゆく娘に対し親として何もできず、むしろ作家としてその姿を冷徹に記録したいと思ってしまう父。愛をささやきながら、沈黙するほかない夫。無邪気な弟は、唯一の心の拠り所だったが…。神の前提なしでいかに愛を証明するか、その途方もない模索が始まった。

出演:ハリエット・アンデンション、グンナール・ビョルンストランド、マックス・フォン・シドー、ラルス・パッスガルド
撮影:スヴェン・ニクヴィスト


沈黙(1963年/スウェーデン/スタンダード/モノクロ/96分/原題:Tystnaden)


(c) 1963 AB SVENSK FILMINDUSTRI

言葉が全く通じない国に来てしまった翻訳家の姉と奔放な妹、そして妹のひとり息子。しかもお互い唯一の話し相手であるはずのその姉妹は、嫌いあっている。この絶望的な状況。完結編に至り、ようやく“神の沈黙”が意味するものがおぼろげに見えてくる…。静寂の中、かすかに聞こえるささやき。センセーショナルな描写が各国で物議を醸し、映画史上、最も多くの分析・批評がなされたと言われる問題作。

出演:イングリッド・チューリン、グンネル・リンドブロム、ヨンゲル・リンドストロム、ホーカン、ヤンベルイ
撮影:スヴェン・ニクヴィスト
音楽:ヨハン・ゼバスティアン・バッハ


第2回全米批評家協会賞 作品賞・監督賞・主演女優賞
仮面/ペルソナ(1966年/スウェーデン/スタンダード/モノクロ/82分/原題:Persona)※日本最終


(c) 1966 AB SVENSK FILMINDUSTRI

失語症に陥ったスター女優と、彼女を看病することになった看護婦。海辺の別荘でふたりだけで生活していくうちに、お互い自意識の“仮面”が剥がされ、溶け合い、交錯していく…。分身-ドッペルゲンガ-をテーマに「映画」と名付けられる予定だった本作は、ベルイマンによる映画論だ。終生にわたるパートナーとなったリヴ・ウルマンは、本作で出会い、以降ともに傑作を生みだしてゆくことになる。

出演:ビビ・アンデショーン、リヴ・ウルマン
撮影:スヴェン・ニクヴィスト


第40回アカデミー賞 撮影賞
第7回全米批評家協会賞 脚本賞・撮影賞
第47回キネマ旬報 外国映画ベストテン第2位
第26回カンヌ国際映画祭 フランス映画高等技術委員会賞

叫びとささやき(1972年/スウェーデン/ビスタ/カラー/91分/原題:Viskningar och rop)※日本最終


(c) 1973 AB SVENSK FILMINDUSTRI

19世紀末のスウェーデンの大邸宅。優雅な生活を送る上流階級の3人姉妹と召使。4人の女性のそれぞれの愛と孤独、生と性の断片を強烈な赤のイメージで抉り出し、まさにベルイマン芸術のエッセンスが花開いた名作。トリュフォーが絶賛し、アメリカでのベルイマンの最大のヒット作となった。

出演:ハリエット・アンデルセン、カリ・シルヴァン、イングリッド・チューリン、リヴ・ウルマン
撮影:スヴェン・ニクヴィスト
音楽:フレデリック・ショパン、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ


第56回アカデミー賞 最優秀外国語映画賞・撮影賞・美術賞・衣装デザイン賞
第41回ゴールデン・グローブ賞 最優秀外国語映画賞
第40回ヴェネツィア国際映画祭 国際批評家連盟賞
第49回ニューヨーク映画批評家協会 最優秀外国映画賞・監督賞
第9回ロサンゼルス映画批評家協会 最優秀外国映画賞・撮影賞
第9回セザール賞 最優秀外国映画賞

ファニーとアレクサンデル(1982年/スウェーデン=フランス=西ドイツ/ビスタ/カラー/311分/原題:Fanny och Alexander)


(c) 1982 AB Svensk Filmindustri, Svenska Filminstitutet. All Rights Reserved.

序章と終章、間の五つの章立て構成で、劇場を経営する一族の2年間を、二人の幼い孫の視点を通して豪華絢爛に描き、ベルイマンをして「映画作りの面白さを味わい尽くした」と言わしめ、世界中で大ヒットを記録した集大成たる超大作。

出演:ぺルニラ・アルヴィーン、バッティル・ギューヴェ、アラン・エドヴァル、エヴァ・フレーリング、グン・ヴォールグレーン
撮影:スヴェン・ニクヴィスト
※【特別料金】一律¥2,300


イングマール・ベルイマン

1918年7月14日、プロテスタントの聖職者の父エーリックと母カーリンの次男として、スウェーデンの大学都市ウプサラで生まれる。44年アルフ・シェーベルイ監督『もだえ』で脚本を手掛け、46年『危機』で映画監督デビュー。以後、60年以上にわたるキャリアの中で、50本以上の作品を残した。並行してストックホルム王立劇場の芸術監督として数々の演劇の演出を務める。1982年、最後の監督作と宣言し、スウェーデン映画史上最大の製作費を投じた『ファニーとアレクサンデル』で、3度目のアカデミー賞外国語映画賞に輝く。1998年にカンヌ国際映画祭から「名誉パルム・ドール」を授与された。2007年7月30日、バルト海の孤島フォール島の自宅で死去。享年89。

【没後15年イングマール・ベルイマン監督特集】
配給:ザジフィルムズ