日時
3月6日(金)公開
3月6日(金)公開
『わたしは、ダニエル・ブレイク』『家族を想うとき』
製作陣が贈るヒューマンドラマの傑作

第72回サン・セバスティアン国際映画祭で最優秀監督賞に輝いた本作は、巨大な物流センターで働く一人の女性の日常を通じて、現代社会が抱える孤独と分断を描き、その先にかすかな希望の光を見出そうとするヒューマンドラマ。監督・脚本を手がけたのは、ポルトガルで生まれ、現在はスコットランドを拠点とするローラ・カレイラ。短編作品で “労働者の世界”を一貫して描いてきた彼女が、自身の移民としての経験を元に初長編に挑み、「途轍もなく素晴らしい」(The Guardian)、「新世代のリアリズムを切り開く傑作」(VARIETY)などと高い評価を受けた。その才能を支えたのは、『わたしは、ダニエル・ブレイク』『家族を想うとき』などのケン・ローチ監督作品を手がけてきた製作陣。プロの俳優とアマチュアを交えたキャスティングや、実在の労働環境に根ざしたリアリズムは、社会派映画の系譜を受け継ぎながらも、極めて現代的な感触をもたらしている。


巨大な物流センターで働く移民のオーロラ。
真面目に働き、他人を労り、小さな幸せを噛みしめる。
スコットランドの郊外に広がる巨大な物流センター。ポルトガルから移住したオーロラは、そこで「ピッカー」として働いている。スキャナーの指示に従い、無数の通路を歩き、棚から商品を取り出す。その単調な反復が、一日の大半を占めている。同僚たちとの会話は、休憩中のほんのわずかな時間だけ。勤務を終えると、彼女は疲れた体を引きずり、移民労働者たちが暮らすシェアハウスに戻る。一人きりの部屋で一息ついてから、狭いダイニングで夕食をとる。住人同士の交流は表層的で、関係が深まることはない。寄る辺のない日々が、淡々と続いていく―。そんなある日、オーロラは不注意からスマートフォンを壊してしまう。職場の連絡手段であり、時間を埋めるための“相棒”でもあった文明の利器を失ったとき、彼女の日常はゆるやかに、しかし確実に形を変えていくのだった—。



『オーロラの涙』ON FALLING
(2024 年/イギリス・ポルトガル/104分/英語・ポルトガル語/1.50:1/カラー/5.1ch)
監督・脚本:ローラ・カレイラ
出演:ジョアナ・サントス、他
日本語字幕:今井祥子
配給:マーチ