
© 2024 Crow’s Nest Productions Limited
日時
11月7日(金)公開
© 2024 Crow’s Nest Productions Limited
11月7日(金)公開
第二次世界大戦下、ナチスはユダヤ人迫害や教会を弾圧し圧政を進めていた。そのナチスと闘い続けた実在のドイツ人牧師ディートリヒ・ボンヘッファー(1906年-1945年没)。平和を祈る聖職者でありながら、彼はいかにしてスパイ活動に身を投じ、ヒトラー暗殺の共謀者になっていったのか?彼の死から80周年を迎えた今年、家族思いの青年であり、勤勉なキリスト者であり、そして抵抗運動の闘士と化して生き抜いた39年間の短くも濃厚な生き様と、“20世紀を代表するキリスト教神学者の一人”と呼ばれる英雄の知られざる人物像が明らかとなる。
監督・脚本・製作を務めたのは『ハドソン川の奇跡』や『博士と狂人』など実話を得意とする名シナリオライター、トッド・コマーニキ。知られざる真実に斬り込む人間ドラマに定評のあるコマーニキが、ドイツでは誰もが知る歴史上の人物であり、現在もなお人々の思想に大きな影響を与え続けるひとりの男の生涯を描き切る。
ボンヘッファー役を演じるのは、舞台演劇出身のドイツ人俳優ヨナス・ダスラー。2019年、ファティ・アキン監督作『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』で主人公の連続殺人犯を演じ、ドイツ映画賞の主演男優賞にノミネートを果たした。後にVariety誌「注目すべきヨーロッパの若手映画人10人」にも選出されている。共演には『イングロリアス・バスターズ』『名もなき生涯』のアウグスト・ディールや『エイリアン:ロムルス』のデヴィッド・ジョンソンなどが名を連ねる。
1906年2月4日 – 1945年4月9日
当時ドイツのブレスラウ(現在ポーランドのヴロツワフ)生まれ。 父カール・ボンヘッファーは、ベルリン大学で精神医学と神経学の教授を務めていた。彼の父親はヒトラーが開始した安楽死計画に反対した最も著名な精神科医の一人だった。1923年から1927年まで、ディートリヒ・ボンヘッファーはチュービンゲン大学とベルリン大学で神学を専攻した。1928年から1929年までバルセロナのドイツ語教会の助任牧師を務めた後、ボンヘッファーはニューヨーク市のユニオン神学校で交換留学生として1年間を過ごした。1931年にドイツに戻った後、ベルリン大学で体系神学の講師に就任した。 ボンヘッファーはドイツのルーテル派牧師、新正統派神学者、反ナチスの告白教会の重要創立メンバーであった。キリスト教の世俗世界における役割に関する著作は広く影響力を持ち、1937年の著書『弟子としての代償』は現代の古典と評されている。神学上の著作とは別に、ボンヘッファーはナチスの独裁政権に対する断固たる抵抗で知られ、ヒトラーの安楽死計画やユダヤ人に対する大量虐殺的迫害に声高に反対した。その結果、ボンヘッファーは1943年4月5日にゲシュタポに逮捕され、テーゲル刑務所1年半投獄された。1944年7月20日のヒトラー暗殺未遂事件の失敗後、ボンヘッファーが陰謀に直接関与していたことを示す文書が発見されたため、ドイツ軍事情報局の元職員を含む他の共謀者たちとともに裁判にかけられ、フロッセンビュルク強制収容所に送られた。ボンヘッファーはナチス政権の崩壊中の1945年4月9日に絞首刑に処された。ボンヘッファーは収監中に婚約をしており、処刑の約4ケ月前に婚約者や家族に送った詩「善き力にわれ囲まれ」は賛美歌となり今でも多くの人々に歌われている。また、彼が獄中で執筆した『獄中書簡と論文集』は、1951年に遺作として出版され、彼の信念を最も深く示した文書であると言われている。
ドイツはナチスの台頭と共に大きな変革期を迎え、独裁者ヒトラーを神のように崇拝する聖職者たちが現れていた。危機感を抱いた牧師ボンヘッファー(ヨナス・ダスラー)は「教会は聖域であり、権力の場ではない」と反発し、ヒトラーを全人類の脅威と見なした。そしてボンヘッファーは、ドイツ教会を守るためスパイとなり、ユダヤ人の大虐殺を行なうナチス政権を崩壊させるため「ヒトラー暗殺計画」に加担する。信仰と信念を貫き、命をかけて闘う彼に、やがて究極の運命が待ち受けていた──。
『ボンヘッファー ~ヒトラーを暗殺しようとした牧師~』Bonhoeffer: Pastor. Spy. Assassin.
(2024年/アメリカ・ベルギー・アイルランド/英語/132分/5.1chデジタル/スコープサイズ/カラー/PG12)
監督・脚本・製作:トッド・コマーニキ
出演:ヨナス・ダスラー、アウグスト・ディール、モーリッツ・ブライブトロイ、ナディーン・ハイデンライヒ、デヴィッド・ジョンソン、フルーラ・ボルク
プロデクションデザイナー:ジョン・ビアード
撮影:ジョン・マシソン
編集:ブルー・マレー
字幕翻訳:大塚美左恵
字幕監修:小川政弘
配給:ハーク
配給協力:フリック