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ハード・トゥルース 母の日に願うこと Hard Truths

10月31日(金)公開

©Untitled 23 / Channel Four Television Corporation / Mediapro Cine S.L.U.

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10月31日(金)公開

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82歳の巨匠マイク・リー、最新作にして演出の極致とも言うべき至福の逸品
心の痛みとその欠片を、ユーモアと優しさで鮮やかに描く、珠玉のヒューマンドラマ

カンヌ・ヴェネチアを制し、アカデミー賞に7度ノミネート!!
ショーン・ベイカー、ケン・ローチ、グレタ・ガーウィグ・・・
名だたる映画監督に影響を与えてきた生ける巨匠マイク・リー演出の極致とも言うべき至福の逸品!!


現代のロンドンを舞台に、いつも怒りの感情をかかえた母親を主人公にした珠玉のヒューマンドラマが誕生した。問いかけられるのは、「人間とは?」、「家族とは?」、そして、「幸せとは何か?」──。監督はイギリスを代表する巨匠のマイク・リー。『秘密と嘘』がカンヌ映画祭でパルムドールを受賞し、日本のミニシアターでも大ヒットとなったが、この作品に出演したマリアンヌ・ジャン=バプティストと監督との奇跡の再会が実現した。
 
表現者として深みを増したふたりのタッグは、前作以上にパワフルな人物像を作り上げ、ジャン=バプティストは、この映画で数々の演技賞も獲得。作品自体も世界の映画祭で27の受賞・57のノミネートを果たし、批評サイト、ロッテントマトの支持率は驚異の95%。主人公の夫や息子、妹とのねじれた家族関係を見つめ、<笑い><涙><怒り>が交錯。やがて、一筋の希望が浮かび上がる人生賛歌が、日本の映画ファンの心を鷲づかみにする!


 
本作の主人公、パンジーは、夫や息子と暮らす黒人の中年女性。いつも何かに苛立ち、身近な人々との衝突を繰り返している。配管工の夫や20代の無職の息子との関係もぎくしゃくする日々。しかし、対照的な性格の妹、シャンテルと母の日に亡き母の墓参りに行った時から、自分の秘められた気持ちと向き合う。その心の奥には、長年、家族に複雑な思いを抱えてきたパンジーの深い孤独や悲しみが浮かぶ。
 
パンジー役のマリアンヌ・ジャン=バプティストは、96年の『秘密と嘘』では、生みの母親と新たな関係をめざす若い女性を演じてアカデミー助演女優賞候補となった。それから25年以上が経過し、女優としてさらに円熟。激しい怒りを見せつつ、繊細な揺れもある女性の内面を見事に表現する。その圧巻の演技は、当初、期待されたオスカー候補は逃したものの、ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドンなど主要の映画批評家協会賞の主演女優賞を獲得。キャリアにおける最高の演技が海外では高く評価された。
 
監督のマイク・リーは過去の『秘密と嘘』、『家族の庭』といった代表作でも、家族の絆を通じて、社会の片隅で生きる庶民たちの真実を描き続けてきた。この作品でも、いつも通り撮影前は脚本を用意せず、俳優との即興的なリハーサルを重ねることで物語の骨組みを作り上げる。そんな独自の手法を通じて人間のリアルな感情に迫っていく。


 
その斬新で大胆な映画作りは、ショーン・ベイカー、グレタ・ガーウィグといった名だたる監督たちにも影響を与え、世代が少し上のイギリスの名匠ケン・ローチと共に庶民たちの人間模様を見つめ続けてきた。80代となった彼は、今回、初めてロンドンで生きる黒人たちの日常生活をテーマにし、まさに演出の極致ともいうべき至福の逸品を作り上げた。その見事な手腕は、「82歳のマイク・リー監督によるキャリア屈指の傑作」(Financial Times)、「最後まで観客を惹きつける力作」(The Guardian)とマスコミでも絶賛された。静かながらも、ユーモアもあり、感情を強く揺さぶる稀有な展開で、その職人芸を発揮する。
 
その他の共演陣は、パンジーの明るい性格の妹、シャンテル役に『秘密と嘘』のミシェル・オースティン、パンジーの忍耐強い夫、カートリー役に『アヴェンジャーズ』のデヴィッド・ウェバー、パンジーの無口な息子、モーゼス役に『Back to Black エイミーのすべて』のトゥウェイン・バレット、シャンテルの娘、ケイラ役にNetflix『One Day/ワン・デイ』のアニ・ネルソン、姉妹のアレイシャ役に『美女と野獣』のソフィア・ブラウン、ヴァージル役に『魔女がいっぱい』のジョナサン・リヴィングストン。スタッフにはマイク・リー組がずらりと揃った。製作は90年代の『ネイキッド』以来、リーと組んでいるジョージナ・ロウ、製作総指揮は『ヴェラ・ドレイク』以降、リー組となったゲイル・リーガン、撮影監督はこれまで監督と14回組んだベテランのディック・ポープ。また、プロダクションデザインのスージー・デイヴィーズ、衣装デザインのジャクリーン・デュラン、作曲のゲイリー・ヤーションなども過去に監督と組んでおり、編集のタニア・レディンだけが初の参加となった。
 
 リー監督はインタビュー(AP通信)で「街に出ればパンジーのような人間はたくさん目に入る」と語っている。パンジーは怒りを周囲にぶつける人生を送っているが、この映画では、そんな主人公の怒りや孤独の向こう側にあるものも見せる。自分が周囲に嫌われていると考える彼女に、素直な妹のシャンテルは言う――「あなたのことは理解できないけれど、それでも、あなたを愛している」。どんな自分でもきっと受け入れてくれる人がいる。そんな救いと希望も感じさせる屈指の傑作となっている。

【STORY】
あなたを理解することは出来ないけれど、それでも、わたしは愛してる。

舞台は現代のロンドン。パンジーは配管工の夫、カートリーや20代の無職の息子、モーゼスと⼀緒に暮していた。いつも怒ってばかりの彼女は朝から家族にも小言ばかり。外出しても、パンジーの怒りは収まらない。そんな彼女には美容師の妹、シャンテルがいるが、彼女は姉とは対照的な陽気な性格。シングルマザーの彼女はふたりの娘と暮しているが、家庭内では笑いが絶えない。母の日がくると、シャンテルの提案で、パンジーは亡くなった母、パールの墓参りにしぶしぶ出かけるのだが・・・。

『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』Hard Truths
(2024年/イギリス/英語/97分/シネスコ/5.1ch)

監督・脚本:マイク・リー
出演:マリアンヌ・ジャン=バプティスト、ミシェル・オースティン、デビッド・ウェバー、ソフィア・ブラウン、ジョナサン・リンビングストーン
製作:ジョージナ・ロウ
製作総指揮:ゲイル・イーガン、リチャード・コンダル、ジェニファー・エリクソン、アリソン・トンプソン、マーク・グッダー、アンドリュー・カーペン、ケント・サンダーソン、ハビエル・メンデス、ハビエル・ポンス、オリー・マッデン、ダニエル・バトセック
撮影:ディック・ポープ
美術:スージー・デイビス
衣装:ジャクリーン・デュラン
編集:タニア・レディン
音楽:ゲイリー・ヤーション
キャスティング:ニーナ・ゴードン
日本語字幕:岩辺いずみ
提供:ニューセレクト
配給:スターキャットアルバトロス・フィルム