
© 2019 Les Films 13 – Davis Films – France 2 Cinéma. All rights reserved.
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『男と女』から実に50年余り。かつて運命の恋におちた二人が(1986年の『男と女Ⅱ』を挟みつつ)再会を果たす続編。海辺の老人ホームで余生を送る元レーシングドライバーのジャン=ルイ。彼の息子は父が長年追い求めている女性アンヌを捜し出す。『男と女』の名場面を回想として使い、二人の現在を描き出す。主演のトランティニャンとエーメを始め当時のスタッフとキャストが再結集。“愛のシネアスト”としてのルルーシュが成し遂げた人生賛歌であり感動の記念碑だ。
『男と女 人生最良の日々』 Les plus belles années d’une vie/The Best Years of a Life
(1973年/115分)
2025年5月に開催された第78回カンヌ国際映画祭。イメージビジュアルとして発表された二枚組の公式ポスターには、両方ともクロード・ルルーシュ監督の1966年のフランス映画『男と女』の有名なワンシーンが映し出されていた。ドーヴィルの浜辺での抱擁の場面で、片方はジャン=ルイ・トランティニャン、もう片方はアヌーク・エーメの顔が見える。二種類のポスターが用意されたのはカンヌの歴史上初めてのこと。
「ダバダバダ・・・」という吐息混じりのスキャットが耳をくすぐる、フランシス・レイ作曲のテーマ音楽は一瞬にして日常を愛の風景に変える。政治の季節と呼ばれた騒乱の時代、この大人のラブロマンスはむしろ異彩を放ち、第19回カンヌ国際映画祭でグランプリ(現在のパルムドール)を受賞。1967年のアカデミー賞では外国語映画賞とオリジナル脚本賞を獲得し、世界中に大きな影響を与えた。
不朽の名作として知られる『男と女』だが、元々は低予算のインディペンデント映画だ。当時28歳のルルーシュは共同脚本、製作、撮影を兼ねて自主制作。少数精鋭のチームに制限して約4週間で撮影を敢行。圧倒的に洗練された“映像×音楽”の実験は珠玉の詩的効果を生み、ミュージックビデオの原点のひとつにもなった。いまこそルルーシュが編み出した華麗な映画の発明に酔い痴れよう。
【男と女-クロニクルズ-】
配給:SPOTTED PRODUCTIONS