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原爆スパイ A Compassionate Spy

8月22日(金)公開

© Participant Film

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8月22日(金)公開

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第79回ヴェネツィア国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部門(ノンフィクション)正式出品
第49回テルライド映画祭正式出品
第35回アムステルダム国際ドキュメンタリー映画正式出品

戦後80年の今 暴かれる
米ソ核開発をめぐる衝撃の事実

原爆開発の隠された真実 マンハッタン計画とスパイ
広島と長崎に原爆が投下された1945年から今年で80年。第二次世界大戦下、「マンハッタン計画」において、〈原爆の父〉オッペンハイマー博士の下、原子爆弾の研究・開発に最年少の18歳で参加した天才物理学者テッド・ホール。彼は開発に関わる国家機密をソ連へと密かに流していた─。米ソ間で競うように開発され、広島・長崎へと投下された原子爆弾。そして戦後激化していく軍拡競争と冷戦構造…。一人の物理学者の大胆な行動が世界をどう変えたのか?「原爆スパイ」の驚くべき人生と、核開発をめぐる大国の思惑を克明に描く衝撃のドキュメンタリー。

18歳のスパイが懸念したこと─彼は「裁かれるべき」だったのか?
当時計画に携わった物理学者の多くが、米国による原爆の独占を危険視し、ソ連と情報を共有すべきだと考えていた。共産主義に傾倒しソ連へ機密を流し続けたテッド。核戦力の均衡をもたらした一方で、ソ連に禁断の兵器を握らせたとも言える彼の行動は、「正しかった」のか?1997年、その驚くべき人生が知れ渡ると同時に米国で一大論争を巻き起こしたテッド・ホール。同じ容疑で死刑判決が下ったジュリアス・ローゼンバーグ夫妻との違いを生んだのは何だったのか?後年、動機を「思いやり」だったと語るテッドが、現代にある“警鐘”を投げかける──。

驚くべき“ある家族の物語”をひも解くスティーヴ・ジェームズ監督最新作
後年までFBIに追われ続けたテッド。妻と娘たちは“スパイの父”とどのように秘密を共有し、共に生きてきたのだろうか?米国で“タブー”とさえ言える「原爆投下」に疑義を突き付けるテッドを一人の人間として描き出したのは、『フープ・ドリームス』(1994年/アカデミー賞編集賞ノミネート、サンダンス映画祭観客賞)、『プリフォンテーン』(1997年)『スティーヴィー』(2002年)等で知られ、二度のアカデミー賞ノミネート、多数の受賞歴を誇る米国で最も重要なドキュメンタリー作家のひとり、スティーヴ・ジェームズである。

【STORY】

カメラに向かって語り出す穏やかな老夫婦。彼らが語り始めたのは、52年にわたり家族が守り続けた、驚くべきある秘密だった──。

最年少の18歳で“原爆の父”オッペンハイマーの下、マンハッタン計画に参加した天才科学者、テッド・ホール。原子爆弾の威力を知るにつれ、「アメリカの原爆独占は危険だ」と考えるようになったホールは、盟友と共にソ連へ機密情報を密かに提供することを決意する。米ソ間で競うように開発され、広島・長崎へと投下された原子爆弾。戦後冷戦構造、その後激化していく軍拡競争…彼の行為は“正義”か、それとも“裏切り”か?ソ連に機密を渡し続けたテッド・ホールの行動の裏には、核の脅威を憂う彼自身の信念があった。

その一方、FBIの監視に怯え、いつ逮捕されるかわからない日々を生き抜く中で、秘密を共有し支えたのは家族の存在だった。妻ジョーン、そして子どもたちは“スパイの父”をどう受け止め、共に生きたのか。父として、科学者として、テッドが次世代に遺そうとしたメッセージとは――。

戦後80年を迎える今、改めて問いかける。
私たちは“原爆”とどう向き合うのか――。

『原爆スパイ』A Compassionate Spy
(2022年/イギリス、アメリカ/英語/101分/カラー、モノクロ/ドキュメンタリー/G)

監督:スティーヴ・ジェームズ(『フープ・ドリームス』『スティーヴィー』)
出演:テッド(セオドア)・ホール、ジョーン・ホール
日本版字幕:若林 信乃
字幕監修:新田 宗土(慶應義塾大学/広島大学 SKCM2)
提供:メニーウェル
配給:パンドラ