シェルブールの雨傘【ミシェル・ルグラン&ジャック・ドゥミ レトロスペクティブ】 Les Parapluies de Cherbourg/The Umbrellas of Cherbourg

©Ciné-Tamaris 1993
©Ciné-Tamaris 1993
全編音楽のみで展開し、セリフがすべて歌詞になっているという、映画としては画期的な方法で制作された。ミシェル・ルグランによる音楽が評判となり主題歌も大ヒット。カトリーヌ・ドヌーヴの出世作としても知られている。歌唱部分は全て、歌手による吹替えが行われている。
フランス北西部の港町、シェルブールで、ささやかながら美しい恋をはぐくむ自動車修理工の若者ギイと傘屋の少女ジュヌヴィエーヴ。恋に恋する年頃のジュヌヴィエーヴに未亡人の母エムリーは心配顔。出かけるたびにうそをつきながらもジュヌヴィエーヴはギイと会う時間が嬉しかった。だがある日、アルジェリア戦争の召集令状がギイに届き、2人ははなればなれに引き裂かれるのだった。
『シェルブールの雨傘』Les Parapluies de Cherbourg/The Umbrellas of Cherbourg
(1964年/フランス/91分/カラー/ビスタ/20.chステレオ)
監督:ジャック・ドゥミ
出演:カトリーヌ・ドヌーブ、ニーノ・カステルヌオーボ、アンヌ・ベルノン、マルク・ミシェル
製作:マグ・ボダール
脚本:ジャック・ドゥミ
撮影:ジャン・ラビエ
美術:ベルナール・エバン
音楽:ミシェル・ルグラン
1932年2月24日、パリ生まれ。フランスを代表する作曲家、編曲家、ピアニスト、歌手、指揮者。11歳で、パリ国立高等音楽院に入学し、アンリ・シャランやナディア・ブーランジェに師事。1954年、22歳の時に初のアルバム「アイ・ラヴ・パリ」をリリースし、世界的な成功を収める。1958年にマイルス・デイヴィス、ビル・エヴァンス、ジョン・コルトレーンらと共演したジャズ・アルバム「ルグラン・ジャズ」はベストセラーになった。
映画音楽の作曲家としてのキャリアは、1954年のアンリ・ベルヌイユ監督作品『過去をもつ愛情』から。その後、ヌーヴェルヴァーグの映画人たち、そしてジャック・ドゥミと出会う。『シェルブールの雨傘』と『ロシュフォールの恋人たち』の映画音楽は彼に世界的な評価をもたらした。1967年から1969年まではロサンゼルスに移住し、ノーマン・ジュイソン『華麗なる賭け』、ジョン・スタージェス『北極の基地/潜航大作戦』、シドニー・ポラック『大反撃』、リチャード・ブルックス『ハッピーエンド/幸せの彼方に』の映画音楽を作曲。
フランスに戻った後、ジャン=ポール・ラプノー『コニャックの男』、ロバート・マリガン『おもいでの夏』、クロード・ルルーシュ『愛と哀しみのボレロ』、バーブラ・ストライサンド『愛のイエントル』、アービン・カーシュナー『ネバーセイ・ネバーアゲイン』などがある。生涯で3つのオスカーを獲得。クラシックとジャズという異なる文化の要素を組み合わせたミシェル・ルグランは、独創的で華麗な作曲でジャンルの垣根をなくした。2019年1月26日に永眠。
【ミシェル・ルグラン&ジャック・ドゥミ レトロスペクティブ】
提供:ハピネット・メディアマーケティング
配給:ハピネットファントム・スタジオ、アンプラグド