日時
7月25日(金)~1週間限定上映
7月25日(金)~1週間限定上映
同性愛はハリウッド映画でどのように描かれてきたのか?もしくは描かれてこなかったのか?どのような創意工夫が凝らされ、いかにして独自の映画表現をつかみ取ってきたのか?『セルロイド・クローゼット』は、120本もの作品をひも解きながら、トム・ハンクス、シャーリー・マクレーン等ハリウッドを代表する俳優、監督、プロデューサーらへのインタビューを通し、映画史を裏面から読み解き、“もう一つのハリウッド映画史”を明らかにする革新的な作品である。監督は『ハーヴェイ・ミルク』(1984年/第57回アカデミー賞長編記録映画賞受賞)のロブ・エプスタインとジェフリー・フリードマン。原作はゲイの活動家として多大な影響を与えたヴィト・ルッソ(「the Celluloid Closet」)。今回新たに製作されたデジタル・リマスター版での公開となる。
『ベン・ハー』に仕掛けられた驚くべきストーリー展開。スタンリー・キューブリックの『スパルタカス』で、公開時にカットされたシーンに込められた意味とは?ジェイムズ・ディーン主演『理由なき反抗』でサル・ミネオはなぜ撃ち殺されるのか?『モロッコ』のマレーネ・ディートリッヒやグレタ・ガルボなど映画ファンを魅了した魅力の裏には・・・・・・。映画草創期から1994年までの作品を丹念に検証し、場面の中から次々と隠し絵のようにある〈秘密〉が浮かび上がる。
『セルロイド・クローゼット』は、私たちの旧友ヴィト・ルッソの原作に基づいています。ヴィトは映画を愛していました。また彼は、ゲイ・アクティヴィストのパイオニアでもありました。彼は自分のこのふたつの関心を、映画における同性愛研究という形で結実させたのです。われわれの世紀でもっともポピュラーな芸術が、同性愛のキャラクターをどのように作り上げたのかを、彼は教えてくました。
そして私たちは、社会がゲイをどのように考えているのかについて、多くを学びました。それは同時に、社会が規定する「男性的なもの」と「女性的なもの」を知ることでもありました。フィルムメーカーとして、ゲイとして、そして映画を愛する者として、私たちは映画の100年の中から同性愛のイメージだけを取り出して、それを観客に見てもらうことにどんなに心を踊らせたことでしょう。同性愛のイメージが作られてゆく背景を探る中に浮かび上がってきたさまざまな「ストーリー」に、私たちは興奮したのです。
レズビアンとゲイのイメージは、これからいっそう多くスクリーンに現れるでしょう。映画100年目、それらがどのようにしてここに至ったのかを知るのに、いまは恰好の時に違いありません。
ロブ・エプスタイン
ジェフリー・フリードマン
※1997年公開時資料より転載
『セルロイド・クローゼット デジタル・リマスター版』The Celluloid Closet
(1995年/アメリカ/102分)
監督:ロブ・エプスタイン&ジェフリー・フリードマン
出演:トム・ハンクス、ウーピー・ゴールドバーグ、ハーヴェイ・ファイアスタイン、ゴア・ヴィダル、シャーリー・マクレーン、スーザン・サランドン 他
原作:ヴィト・ルッソ「The Celluloid Closet」
配給:パンドラ