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蟲【ヤン・シュヴァンクマイエル特集】 Hmyz

8月15日(金)公開

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8月15日(金)公開

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ヤン・シュヴァンクマイエル、「最後の長編劇映画」宣言。
シュヴァンクマイエルのシュルレアリストとしてのアプローチが極まった集大成的な一作!

【STORY】

チャペック兄弟の有名な戯曲『虫の生活』の第二幕「捕食生物たち」に取り組む、小さな町のアマチュア劇団。遅刻や欠席するメンバーたちのやる気の無さに、コオロギ役兼任の演出家は怒りが収まらない。そしてやはりコオロギ役を務める彼の妻ルージェナはハチ役の男と明らかに不倫中・・・・・・。不穏な空気でリハーサルが進むなか、やがて劇の展開と役者たちの行動が交錯し、ついに舞台に惨劇が訪れる!

『蟲』Hmyz
(2018年/チェコ・スロバキア/チェコ語/98分)

監督:ヤン・シュヴァンクマイエル


ヤン・シュヴァンクマイエルの最新3作品、ついに公開!

チェコのアニメーション&映画作家ヤン・シュヴァンクマイエルが「最後の長編劇映画」と宣言して2018年に完成させた『蟲』、さらに、ヤン・ダン&アダム・オルハ監督によるシュヴァンクマイエルのドキュメンタリー『錬金炉アタノール』と、驚愕の記録映画『クンストカメラ』が同時公開。

1988年の『アリス』以来、『ファウスト』『悦楽共犯者』『オテサーネク』『ルナシー』『サヴァイヴィング ライフ』と、これまで6本の長編を発表してきたチェコのシュルレアリストにして、アニメーション&映画作家ヤン・シュヴァンクマイエル(現在90歳)。

「最後の長編劇映画」と宣言して完成させた『蟲』(18年)は、チェコの国民的作家であるチャペック兄弟の有名な戯曲『虫の生活』に取り組む、小さな町のアマチュア劇団の物語。とある稽古日のこと、コオロギ役を兼任する演出家は、メンバーたちのやる気の無さに、怒りが収まらない。不穏な空気でリハーサルが進むなか、やがて劇の展開と役者たちの行動が交錯し、ついに舞台に惨劇が訪れ──。
演劇の中の物語、それを演じる役者たちの素の姿、さらに『蟲』のメイキングも同時進行で提示されるという斬新な3層のメタ構造で、シュヴァンクマイエルならではのアニメーション技法も存分に味わえる本作。製作時には資金を補うためのクラウドファンディングが行われ、シュヴァンクマイエルを師と仰ぐクエイ兄弟やギレルモ・デル・トロも大々的に協力、日本のファンも含め世界中から多くの出資が得られて完成。シュヴァンクマイエルの、シュルレアリストとしてのアプローチが極まった集大成的な一作です。

ヤン・ダン&アダム・オルハ監督による『錬金炉アタノール』(20年)は、シュヴァンクマイエルの現在と過去を捉えたドキュメンタリー。創作上のパートナーでもあった亡き妻エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーの想い出、長年製作を支えてきたプロデューサー、ヤロミール・カリスタとの愛憎入り交じる関係、怪しげな呪物や作品の制作風景、そして日常生活をおくる姿など、シュヴァンクマイエルのあらゆる側面が赤裸々に映し出されます。過去作品の抜粋や記録映像もインサートされ、彼の全貌を把握する「入門編」とも言える1本となっています。

自身の奇怪なコレクションを見せ続ける驚愕の映画『クンストカメラ』(22年)で映し出されるのは、チェコ南西部のホルニー・スタニコフにあるお城と旧穀物庫にあるシュヴァンクマイエル自身の“クンストカメラ”(=「驚異の部屋」「博物陳列室」の意味)。世界中から集めたコレクション、自身や妻の作ったオブジェなど、一般の価値基準とは無縁の不思議なコレクションがヴィヴァルディの「四季」にのせて、ナレーションもなしに延々と映し出されます。


【ヤン・シュヴァンクマイエル特集】
提供・配給:ザジフィルムズ/クープ