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また逢いましょう

7月18日(金)公開

©︎Julia /Omuro

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7月18日(金)公開

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第20回大阪アジアン映画祭インディフォーラム部門上映作品

お互いの人生を理解しあえば自分の生きてきた意味を掴める。誰にでも訪れる死の不安を乗り越えて、笑顔で再会を約束しあえる——。
『また逢いましょう』は、ある介護施設の人間模様を通じて生と死の関係を深く、そして温かく描いた、現代に届けるにふさわしい映画だ。

原案は、京都市右京区でデイケア施設「ナイスデイ」を運営する伊藤芳宏の著書『生の希望 死の輝き』(幻冬舎刊)。利用者のライフストーリーの聞き取りを治癒に活かす独自の取り組みは今、介護業界を越えた大きな反響を呼んでいる。
監督はやはり右京区と東京を拠点に映画のプロデュースを続け、御当地映画といえる2019年の『嵐電』で高い評価を受けた西田宣善。2人の出逢いから新たな京都発映画が生まれた。『また逢いましょう』は、西田の初の劇場映画監督作となる。脚本は、『夜明けまでバス停で』でキネマ旬報脚本賞を受賞した梶原阿貴。伊藤の著書に現代社会に生きる女性の視点を加え、物語により活き活きとした広がりを持たせている。

主人公の夏川優希を演じるのは主演作『STRANGERS』などの映画や舞台で注目度上昇中の大西礼芳。『嵐電』と『夜明けまでバス停で』出演を着実にステップにしてきた大西にとって、縁に結ばれた記念すべき主演作となる。前半は何事にも受け身だった優希が自分の意志で走り出すようになる過程を繊細に表現し、新しい代表作となるにふさわしい魅力を見せてくれる。

優希の父で、頸髄損傷で生活の自由を奪われた絶望と闘う宏司を演じるのは伊藤洋三郎。
施設で明るく奮闘するベテラン職員・洋子役は中島ひろ子。
利用者と職員どちらも仲間として信頼の目で見つめる所長役は田山涼成。
そのほかカトウシンスケ、筒井真理子、田中要次、梅沢昌代など、実力派キャストが脇を固め、誰もが自分だけの人生を生きているし、生きて良いのだ——というこの映画の根幹のメッセージを見事に体現している。

【STORY】

東京でアルバイトをしながら漫画を描いている夏川優希は、父・宏司が転落事故で入院した知らせを聞いて京都の実家に戻ってくる。ちょうど出版社に持ち込んでいた漫画の原稿も不採用となり、先が見えないまま京都で暮らすことに。父は退院後、介護施設「ハレルヤ」に通所を始め、優希も付き添いで行ってみると、そこは利用者と職員が和気あいあいと談笑しリハビリテーションに励む、居心地の良さそうな空間だった。明るいベテラン職員・向田洋子や、ケアマネジャー・野村隼人、利用者の人々と「ハレルヤ」で交流しながら、いつしか温和な笑顔で利用者や職員を見守る、武藤所長の考え方の深さに魅かれていく——。

『また逢いましょう』
(2025年/日本/91分)

監督:西田宣善
出演:大西礼芳、中島ひろ子、カトウシンスケ、田山涼成、伊藤洋三郎、筒井真理子
脚本:梶原阿貴
原案:伊藤芳宏「生の希望 死の輝き 人間の在り方をひも解く」(幻冬舎刊)
製作:株式会社ジュリア、有限会社オムロ
配給:渋谷プロダクション