
©TBS
©TBS
『7時にあいまショー』「坂本九ショー」
(1963年6月8日放送/30分/HDリマスター版)
ドラマ風の演出で魅せる、TBSに残る最古の坂本九出演の音楽番組
手持ち長回しを駆使した九ちゃんのヒットメドレーや、司会・古今亭志ん朝の軽妙なトーク、原知佐子のナイーブな朗読などで飽きさせない構成。音楽番組なのに精巧なドラマ用のセットを組んだため、スタッフや坂本九はスタジオが変更になったと思い込み、収録に遅れてやって来たという逸話もある。
構成:永六輔
出演:坂本九、古今亭志ん朝、永六輔、いずみたく
朗読:原知佐子
『現代の主役』「ウルトラQのおやじ」
(1966年6月2日放送/30分/HDリマスター版)
特撮の神様・円谷英二の真髄に迫った伝説のドキュメンタリー
実相寺が円谷プロに出向するきっかけとなった作品。『サンガ対ガイラ』の撮影風景や、実相寺の上司でもある円谷の長男・一との親子対談、怪獣による円谷へのインタビューなど、構成・編集・音楽どれを取っても実相寺節全開。脚本家・金城哲夫も冒頭に出演し、構成も少し手伝ったとのこと。
出演:円谷英二、円谷一、金城哲夫
音楽:冬木透
『ウルトラマン』などの特撮作品やATG映画、CM、オペラまで手掛け、その美学と感性で唯一無二の存在感を放った奇才。そんなクールな印象の彼も、デビューしたての20代若手社員の頃は、作品の度に異なる演出スタイルを試みる青臭いまでに熱い青年だった。今回はそんな“青の時代”に実相寺が手掛けた、ドラマ、音楽番組、ドキュメンタリーの計8作品を、60年の時を経てスクリーンに蘇らせる。
「テレビ」というメディアの在り方が様々な角度から問われている今だからこそ、その黎明期に息づいていた「ものづくりへの熱量」を振り返ることに意味があるはず。そこで私は昨年から、独断と偏見でフィルムを掘り出しデジタル修復して再発表する「TBSレトロスペクティブ映画祭」を企画した。
第2回は、実相寺昭雄特集。いまや特撮ファンから神格化されている彼にも、まだ何者でもない時代があった。「電気紙芝居」と揶揄され映画に比べはるかに地位の低かったテレビいう場をあえて選び、試行錯誤を繰り返していた昭和の若者の熱い志を、令和のいま改めてスクリーンで堪能して欲しい。
TBSレトロスペクティブ映画祭企画 映画監督 佐井大紀
【第2回TBSレトロスペクティブ映画祭 実相寺昭雄特集】
(2025年/日本)
プロデュース:佐井大紀
エグゼクティブ・プロデューサー:津村有紀
総合プロデューサー:松田崇裕、小池博
協力プロデューサー:青木基晃、石山成人
テクニカル・マネージャー:宮崎慶太
アーカイブ・マネージャー:崎山敏也、古山徹
企画:大久保竜
協力:実相寺昭雄研究会