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3月28日(金)公開
3月28日(金)公開
国内外の映画祭で多数の受賞 世界で注目の金子雅和監督最新作
国内のみならず海外映画祭でも多数受賞の異才・金子雅和監督の最新作。
金子は、川や山といった圧倒的なロケーションと民族学・美術等に裏打ちされた世界観により、現代人が忘れかけている⾃然への畏怖や人間の根源にある生命力を描き出す作風で知られている。初長編となった『アルビノの木』(2016)9カ国の映画祭で20受賞、第2作『リング・ワンダリング』(2021)はインド国際映画祭で『あにいもうと』の今井正監督、『鉄道員(ぽっぽや)』の降旗康男監督に次いで日本人史上3人目となる最高賞(金孔雀賞)を受賞し、今、国内外から注目を集めている存在だ。
本作でもスペインで最も歴史ある映画祭のひとつであり、過去アキ・カウリスマキ、ツァイ・ミンリャン、ペドロ・コスタ、ホン・サンス、鈴木清順、塚本晋也、小栗康平、諏訪敦彦、濱⼝竜介といった名だたる作家映画の数々を上映してきた第62回ヒホン国際映画祭のRetueyosコンペティション(長編1-3作目の監督作)で17歳〜25歳のユース審査員11名により選出される【ユース審査員最優秀長編映画賞】を受賞。「普遍的な感情を繊細かつ美しく描き、時間や距離を超えて物語に共感出来る作品に仕上げた」として⾼い評価を得た。
今回の舞台となるのは、高度経済成長期の始まった1958年。
無垢な少年の眼差しに映る、自然への畏怖と現代化への分岐点。少年が目撃する里の娘と木地屋の青年の関係性には、支配的な社会制度から解き放たれた世界へ向かおうともがく様が描写され、疲弊する現代人への原点回帰的なメッセージが秘められている。
大きな川の上流、山間の集落で暮らす少年ユウチャ。父は林業に従事し、母は病に臥せっていて、老いた祖母と暮らしている。
まだ自然豊かな土地ではあるが、森林伐採の影響もあるのか、家族は年々深刻化していく台風による洪水の被害に脅かされている。
夏休みの終わり、集落に紙芝居屋がやってきて子どもたちを集める。その演目は、土地にずっと伝わる里の娘・お葉と⼭の民である木地屋の青年・朔の悲恋。叶わぬ想いに打ちひしがれたお葉は⼭奥の淵に入水、それからというもの彼女の涙が溢れかえるように数十年に⼀度、恐ろしい洪水が起きるという。紙芝居の物語との不思議なシンクロを体験したユウチャは、現実でも家族を脅かす洪水を防ぎ、さらには哀しみに囚われたままのお葉の魂を解放したいと願い、古くからの⾔い伝えに従って川をさかのぼり、山奥の淵へ向かう・・・
『光る川』
(2024年/日本/108分/カラー/1.85:1/5.1ch/DCP)
脚本・監督:金⼦雅和
出演:華村あすか、葵揚、有山実俊、足立智充、山田キヌヲ、髙橋雄祐、松岡龍平、石川紗世、
平沼誠士、星野富一、堀部圭亮、根岸季衣、渡辺哲、安田顕
配給:カルチュア・パブリッシャーズ