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春告ぐ鳥

上映中~〜3月2日(日)【3日間限定公開】※上映終了

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上映中~〜3月2日(日)【3日間限定公開】※上映終了

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梅染にかけた一生
 そこには何気ない日常が
        つまっていた

「次は鳥の画が描きたい」
京都の梅染師夫婦の一年半を
ひとりの学生が見つめた

山本 晃さんのことば
ある日風邪を引いて寝ていたら、何故か良い香りがしていて目をあけたら枕元に白梅の満開の枝が花瓶にさしてありました。少し熱もさめたので、初め梅の花をスケッチしました。ちなみにあとで分かったことですが、梅の花を挿してくれたのは父でした。なぜかここから今思い返すと梅を染める運命が始まっていたように思います。
(ご本人のFacebook 2023年10月21日の投稿より抜粋)

山本 晃
1943年 兵庫県東条町生まれ。中学を出て、1958年から友禅作家である天野木仙氏に入門。手描き友禅は工程が細分化され、分業が確立されており、その全工程を学ぶことにする。染織文化のルーツを求め、エジプトやギリシャ、インドを旅する。古代染色の研究家である前田雨城氏のもとで、加賀友禅のルーツである梅染を知る。その後、10年がかりで古梅による梅染を再現させ、明治期に失われた梅染を復活させる。工房近くの北野天満宮の梅の枝から、さらに10年がかりで紅梅色の梅染を完成。
1991年、北京で開催された日中伝統工芸展に出品。
伊勢神宮で20年に1度行われる「神宮式年遷宮」では12色の刺繍糸を奉献する。
2008年には、京都市伝統産業技術功労者として京友禅(手描友禅)で表彰される。
光はカメラに映らない

早朝、山本晃さんが散歩に出るというので一緒に歩いた。晃さんが見つめる先に、朝の光があった。カメラを向けると、その光はレンズを通って画面全体が真っ白になった。
ドキュメンタリーとはなにか、他者の生や日常にカメラを向けていいのかと躊躇していた私は、そこにひとつの答えを見つけたような気がした。映らなかったその分は、どうか作品を実際に見て知ってほしいと思う。

監督 岸朱夏 

『春告ぐ鳥』
監督・撮影・編集:岸朱夏
出演:山本晃、山本和枝 
音楽:鈴木モモ(®ストリングラフィ 考案者:水嶋一江)、下島万乃(チェロ)、浦畠晶子 (ピアノ)
録音スタジオ:(有)パストラル・サウンド 園田圭吾
整音:高木創
機材協力:岸満志、岸勢津子
絵:伊波二郎
チラシデザイン:伊勢千咲