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パルバティ・バウル〜黄金の河を渡って Parvathy Baul〜Cross the Golden River

4月18日(金)公開

Ⓒサキプロ2023

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4月18日(金)公開

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第29回 あいち国際女性映画祭2024 招待作品

古来 人間には二種類あるという“修行者”と“それ以外”
両者の間に流れるといわれる黄金の河

バウルは8世紀からインド・ベンガルに受け継がれる“修行”の伝統をもつ吟遊行者。
彼女が発する“歌ごえ”は、修行に裏打ちされた“いのちの顕れ”。
渡河した者だけが知る豊穣な世界の在り処を、彼女はその“歌舞”から示してくれる。
圧倒的な存在感と響く歌ごえ、それはひと筋の光となって私たちの心を照らし出す。

【阿部櫻子監督コメント】

パルバティ・バウルは“黄金の河を渡った人”だ。“河”とは“修行者”と“修行者でない者”を隔てる黄金の河のこと。この映画はその河の両岸を結ぶために、製作が始められた。しかし“修行”という世界は、“解説”や“説明”とは本質的に異なる世界。橋を掛けようにも、共通の言葉があるようでなく、ないようでもあり・・・到底、簡単には理解できない。二つの岸辺に住む人々は、そもそも目指しているものがまるで違うのだ・・・。とはいえ、バウルの世界は意味がないものではなく、むしろその理解できない豊かな世界が、今もなお現代にあることが救いに思える。パルバティの生き方、そして言葉には、私たちの考え方を根底から見直す力を秘めている。

【バウルとは?】

バウルとは、インドの西ベンガル州とはバングラデシュにいる吟遊行者のこと。2008年、UNESCO の世界無形文化遺産に登録された。托鉢をしながら、独特の哲学を反映した歌をうたい、舞い踊る。仏教やイスラーム神秘主義、ヒンドゥーなど、様々な伝統の影響を受けながらも、どの宗教宗派にも属さず、師弟相伝で受け継がれてきた。バウルは歌う行者であり人前で歌いながらも、芸能者ではなく、あくまでも歌や舞を術とした「修行者」である。

【映画コメント】

梶原徹也(元 THE BLUE HEARTS ドラマー)
バウルという行者としての生き方を選んだパルバティさん。ほんの一瞬ではありますが、熊野 那智の瀧の前でのご奉納をはじめ、その祈りに捧げた人生に触れさせていただきました。そこで感じたのは、不思議な異空間と宇宙的ともいえる人種、民族、国家を超えた人類共通の祈りでした。このドキュメンタリーによって多くの方の祈りと共鳴することを信じています。

中納良恵(EGO-WRAPPIN’)
霊性の中で、世俗や混沌を赤裸々に 曝け出すような歌の響き 愛の中に、悲しみや憎しみを抱きかかえ 紐解くような瞳の深さパルバティがこちらを見つめて離さない わたしの心は卵になって 新しい鼓動がこだまする

藤田一照(曹洞宗 僧侶)
少ない女性バウルのパルバティがインドから来日し、各地でバウルの修行をした。この映画はインドと日本の二つの宗教性が生き生きとクロスした貴重な記録だ。彼女の姿は凛としていて、美しく力強い。そして、どこまでも軽やかだ。その存在感は、混迷の現代を生きるわれわれがすっかり忘れている、大切なことを思い出させてくれる。

【STORY】

インドの吟遊行者~パルバティ・バウルが日印に共通する“修行”の世界を歌舞で体現するドキュメンタリー

インドで30年近く、歌う修行の道を歩んできたパルバティ・バウル。「バウル」は八世紀からインド・ベンガルに受け継がれる“修行”の伝統を持つ吟遊行者。彼女が発する“歌ごえ”は、まさに修行に裏打ちされた“いのちの顕れ”だ。彼女は2023年11月に来日し、3週間に渡って「岩手・一遍上人の光林寺」「花巻の大償神楽」「那智大社・飛瀧神社」「大阪・岸和田の杉江能楽堂」など、日本の修行文化の息づく地で奉納演奏を行った。
バラモン階級に生まれたパルバティはインドでもなかなか理解されず、困難な道を歩んできた。そんな彼女が、来日公演を望んだのは、日印に共通する「修行」という文化に出会うため。渡河した者だけが知る豊穣な世界の在り処を、彼女はその“歌舞”から示してくれる。
そして旅の終盤、彼女はある日本の行者と心から共感する…そして最後に思わぬ出来事が・・・
その圧倒的な存在感と響く歌ごえ、それは、ひと筋の光となって私たちの心を照らし出す。

『パルバティ・バウル〜黄金の河を渡って』 Parvathy Baul〜Cross the Golden River
(日本/2024年/109分)

監督・制作:阿部櫻子
出演:Parvathy Baul、Kanai Das Baul、藤田一照、梶原徹也、阿部一成
配給:サキプロ