日時
12月20日(金)公開
12月20日(金)公開
第45回ぴあフィルムフェスティバル 準グランプリ
母を数年前に亡くした小学4年生の美咲は、度々奇行を起こして家族を困らせている。
不登校の彼女を心配する学校の先生や周りの大人たちをよそに、美咲は陶芸家の工房で遊ぶようになる。
そんなある日、一人の女性が家にやってくる。父と親しげなその姿に、美咲はいずれこの女性が「新しい母」になることを悟る。美咲とそれを取り巻く人々の人生が少しずつ動き出していく…。
かつて、あらゆる物事に触れることが新鮮で、発見の連続だった幼少期。社会的な役割や地位のない、取り替えのできない自分がそこにいました。ありのままの自分であることで、周囲とうまく馴染めなかったり、誰かを傷つけることになったり、自分と自分以外の人たちとの関わり方の模索の時期でした。素直であることが時に自分自身も傷つけてしまう。
そんな途方もないどうしようもなさから、みんな、いつからか人や世界と距離感を保ってうまくやり過ごすようになっていきます。自分の理解できる世界のなかで、生きていくようになります。この映画では、痛くて、生々しい、子どもの頃の世界との関係を描こうと思いました。母という自分を無条件で愛して守ってくれる者のいない世界で、少女が人々と築く関わりの原風景を見つめようとした作品です。
監督・脚本・編集 髙田恭輔
『ふれる』
(2023年/日本/カラー/アメリカンビスタサイズ/ステレオ/60分)
監督・脚本・編集:髙田恭輔
出演:鈴木唯、仁科かりん、河野安郎、水谷悟子、松岡眞吾、吉田晏子
撮影・照明:市川雄一
録音:土手柚希
美術:黒田晴斗
助監督:宮川彰太郎、杉岡岳
音楽:伊達千隼
配給:アルミード