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プログラムB『第三章「痛覚残留」』『第四章「伽藍の洞」』【劇場版「空の境界」未来福音 公開10周年記念 シリーズ一挙上映】

12月15日(金)~上映

©奈須きのこ/講談社・アニプレックス・ノーツ・ufotable  ©奈須きのこ/星海社・アニプレックス・講談社・ノーツ・ufotable

日時

12月15日(金)~上映

料金

【特別料金】¥1,600円均一※会員割引、サービスデー適用外、招待券使用不可

詳細 DETAIL

【STORY】


『第三章「痛覚残留」』

「わたし、人殺しなんかしたくないのに——」
「そうでもないよ、おまえは」

見た瞬間に気が付いた。いや、視えてしまった、と言うべきか。
敵であるという確信と、そうじゃない、という否定。
そこにいるのは自分のいる境界がわからないまま越えてしまった、少女だったモノ。
人知れず繰り返される陵辱に、しかし、彼女は無機質な視線を投げかけるばかり。
仮に人の脳に複数のチャンネルがあるとしよう。
現実に即して生きるための最大公約数のチャンネルがあるとして、
おそらく大多数の人間はそこにあわせて世界を見つめ、認識し、だからこそ共存できる。
けれど、どうしても皆とは異なるチャンネルにしかあわせることしかできない、そんな存在がいたとしたら——
それは、もう人外。
いや「存在不適合者」と呼ぶ。
社会に不適合、ではなく、存在そのものが不適合だという話。
どうやらそれを「超能力者」というらしい。

そしてある晩のこと。
飲み会帰りの雨の夜、どこまでも普通、けれど類い希な探し物の才能を持つ黒桐幹也は
闇にうずくまるひとりの少女を拾ってしまう。
「それ」がいずれ、自身が探すことになる対象とも気付かずに、探す前から見つけていた・・・・・・
が、その事実を知ることはない。
行方不明になった後輩。 会えなかった妹とその友人。
手足どころか首までもがねじ切られた惨殺死体は、今日もまたひとつ、増える。
てんでに別方向へ手前勝手に進行する出来事は、やがてひとつの結末へと辿り着く——

まごうことなき、死闘へと。夏の雨の夜、瞳に映るすべてをねじ曲げ破壊する少女と、
すべての死線を瞳に映す少女は、殺意を胸に対峙する。

『第三章「痛覚残留」』(2008年/59分)
監督:小船井充
脚本:平松正樹

キャスト
両儀式:坂本真綾
黒桐幹也:鈴村健一
蒼崎橙子:本田貴子
黒桐鮮花:藤村歩
浅上藤乃:能登麻美子


『第四章「伽藍の洞」』

「私は、弱い私を殺す。
おまえなんかに———両儀式は渡さない」

不慮の事故から、二年。
昏々と眠り続けた両儀式は、ずっと「死」に触れていた。そして、同時に畏れていた。
やがて覚醒。
しかし彼女を待っていたのは、深い孤独と望まぬ景色。
失ったのはずっと同じ器の中で常に一緒だった片割れ「織」。得たのは万物の死の線が視えてしまうという異形の力「直死の魔眼」。
ともに両儀家が知らず、式という存在に辿り着くためにつちかってきたことへの報復にして結果だった。
夢見ることが好きだった、織。
深い殺人衝動を抱えた、織。
今はもうどこにも、いない。
たとえようもない喪失感と死の感触に少女はガランドウになる。それが器を求める霊体にとって最高の標的となることにも気付かずに——。

そんな少女を見守る少年がいた。いや、青年と言うべきか。名は黒桐幹也。彼の勤め先の上司は玲瓏な美を持つ女性で人形遣いで魔術師で、けれど今はただの工房「伽藍ノ堂」のオーナーで。名を蒼崎橙子という。
ある日、橙子は式に会いに行く。名目はなんだってよかった。一応はカウンセラー。なぜか会おうと思ってしまった、それがえにし。一見、ゆるやかに過ぎる時間。しかし終わりはやってくる。ある夜、ガランドウの器を求めて霊体は肉を持ち襲いくる。
刹那、彼女の目に映るのは凶々しくも静謐な死をつかさどる、線。手にはナイフ。煌めく瞳。
かくして少女は自身の四肢で歩き出すことを決意する。

『第四章「伽藍の洞」』(2008年/48分)
監督:滝口禎一
脚本:平松正樹

キャスト
両儀式:坂本真綾
黒桐幹也:鈴村健一
蒼崎橙子:本田貴子


【劇場版「空の境界」未来福音 公開10周年記念 シリーズ一挙上映】
原作:奈須きのこ「空の境界」(講談社ノベルス)