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上映中~12月20日(水)
上映中~12月20日(水)
この映画の最大の魅力は、監督独自の色彩表現で描かれる「魔法の森」だろう。監督はパウル・クレーの「本当は色が私たちを支配しているのであって、その逆ではない」という言葉をひく。紙の上で、次にコンピューター上で実験を重ね最も意味のある色の組み合わせを生み出した。監督にとってこの森は「遊び心に富んだ自由な子ども時代を象徴する空間」だと言う。子どもたちがすべて可能だと信じる時、彼らは希望の力を手に入れる。しかし人は成長し巨人となり、その力のことを忘れ森もまた置き去りにしてしまう。そして監督はこう語る。「でもこの力は、実は私たちの中に眠っていて、一番困難な時期になると私たちを導いてくれる光になるのだと思っています」。
テクノロジーを駆使する太陽の王国のクラエと、自然との結びつきを大切にする月の王国ブルーオの二人の秘密エージェントは、巨人によってその存在を脅かされる魔法の森に派遣されている。森を守る唯一の方法は、光としてこの森に入り込んだ「ペルリンプス」を見つけること。敵対していた二人は共通する目的のために協力し合うことにする。しかし平和をもたらすという謎の生物を探すうちに、物語は思いがけない結末にたどり着く。そこに隠された人類への問いかけとは?
『ペルリンプスと秘密の森』(2022年/ブラジル/原題:Perlimps/スコープサイズ/80分/G)
脚本・編集・監督:アレ・アブレウ(『父を探して』)
音楽:アンドレ・ホソイ、オ・グリーヴォ
後援:在日ブラジル大使館
配給:チャイルド・フィルム、ニューディア―