新進女優イザベル・アジャーニの
鬼気迫る演技に世界が注目した、
(狂気の)愛をめぐるきびしくもロマンティックな内省。
文豪ヴィクトル・ユゴーの次女アデルの日記に基づき、19世紀半ばに彼女が経験したあるできごとを描いた作品。『野性の少年』で歴史的事実に基づく映画作りの楽しさに気づいたトリュフォーは、本作で再びそれを試す機会を得る。たまたま出会った英国人将校に、報われることのない強迫観念的な愛を寄せ続けるアデル役には、当時20歳のイザベル・アジャーニが抜擢された。本作における演技で、彼女は史上最年少でオスカー主演女優賞候補となるなど高く評価された。また作品自体、批評家たちから絶賛され、国内外の映画賞を多数受賞している。
『アデルの恋の物語』(1975年/フランス/カラー/97分/原題:L’Histoire d’Adèle H./デジタルリマスター版)
監督:フランソワ・トリュフォー
脚本:フランソワ・トリュフォー、ジャン・グリュオー、シュザンヌ・シフマン
撮影:ネストール・アルメンドロス 音楽:モーリス・ジョーベール( éditions SIDONIE)
出演:イザベル・アジャーニ、ブルース・ロビンソン、
シルヴィア・マリオット、ジョゼフ・ブラッチリー、イヴリー・ギトリス
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