ベルナデット・ラフォンの陽気な人間的魅力が
遺憾なく引き出された、
男性社会に対する諷刺的視線を秘めた軽やかな犯罪喜劇。
アメリカ人作家ヘンリー・ファレルの同名犯罪小説を翻案した、軽快なタッチの諷刺喜劇。女性犯罪者をめぐる著作を準備中の若手社会学者が、殺人罪で服役中の娘カミーユへの取材を試みる。自らの半生をめぐるカミーユの談話を聞くうちに、学者は彼女に夢中になってしまい、その無実を証明しようとやっきになるが……男たちを手玉にとって生き延びる元気いっぱいのヒロインを、トリュフォーとの協働は最初期の短編『あこがれ』(57)以来となるラフォンが溌剌と演じた痛快篇。実は当初ヒロインをクロード・ジャドが、社会学者をトリュフォー自身が演じる予定だった。
『私のように美しい娘』(1972年/フランス/カラー/98分/原題:Une Belle Fille Comme Moi/デジタルリマスター版)
監督:フランソワ・トリュフォー
原作:ヘンリー・ファレル(Editions Gallimard)
脚色・台詞:ジャン=ルー・ダバディ、フランソワ・トリュフォー
撮影:ピエール=ウィリアム・グレン 音楽:ジョルジュ・ドルリュー
出演:ベルナデット・ラフォン、クロード・ブラッスール、シャルル・デネル、
ギー・マルシャン、フィリップ・レオタール、ジルベルト・ジェニア、ガストン・ウヴラール、
アンドレ・デュソリエ、アンヌ・クレス
©1972 LES FILMS DU CARROSSE/SIMAR/COLUMBIA FILMS