日時
上映中~5月19日(木)※上映終了
料金
一般¥1,900/シニア(60歳以上)¥1,300/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳)¥1,000/ジュニア(15歳)¥800/UPLINK京都会員¥1,100(土日祝¥1,300)/UPLINK京都ユース会員(22歳以下)いつでも¥900
上映中~5月19日(木)※上映終了
一般¥1,900/シニア(60歳以上)¥1,300/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳)¥1,000/ジュニア(15歳)¥800/UPLINK京都会員¥1,100(土日祝¥1,300)/UPLINK京都ユース会員(22歳以下)いつでも¥900
2021年ベルリン国際映画祭は、冒頭のあけすけな本番セックスシーン(日本公開版は監督による検閲版)に始まる、この挑戦的なルーマニア映画『アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ』に金熊賞を授与した。その後世界で大きな反響を呼び、本国ルーマニアの米アカデミー賞代表作品選出、ニューヨークタイムズが選ぶ2021年ベスト2位作品にも選出(6位は『ドライブ・マイ・カー』)されるなど、その快進撃は止まることを知らない。決して口当たりのいい映画ではないのに、世界が同時に経験したパンデミックとその後の社会の閉塞感を、“卑猥”とは何か?と改めて問いかけることで読み解こうとしたこの映画への、人々の共感が絶賛という形になった。
ルーマニア、ブカレスト。名門校の教師であるエミは、コロナ禍の街をさまよい歩いていた。夫とのプライベートセックスビデオが、意図せずパソコンよりネットに流失。生徒や親の目に触れることとなり、保護者会のための事情説明に校長宅に向かっているのだ。しかしそこにはブカレストの街を漂流するかのように、エミの歩く姿が映し出されるだけだ。彼女の抱える不安や苛立ちは、街ゆく人々も共有する怒りと絶望であり、さらにはその街、引いては世界の感情そのもののようであった。猥雑で、汚れ、怒りを孕んだ空気が徐々に膨れ上がっていく…。ルーマニアの鬼才ともいうべきラドゥ・ジューデ監督は、そうした社会の胎動をエミに託し、いきなりのハードなセックスシーンをプロローグとして、続けて物語を三つのパートに分けていく。さらに三つの結末を用意する“マルチエンディング”で、監督はポルノグラフィという問題をブラックコメディとして見せ、映画を終息させる。コロナ禍で浮き彫りにされた社会の偽善や偏見を露見させ、類を見ない傑作の誕生となった。
『アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ』(2021/ルーマニア、ルクセンブルク、チェコ、クロアチア/ルーマニア語/106分/シネスコ/5.1ch/英題:BAD LUCK BANGING OR LOONY PORN/R15+)
監督・脚本:ラドゥ・ジューデ
字幕翻訳:大城哲郎
配給:JAIHO