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ピンク・クラウド THE PINK CLOUD

上映中~2月15日(水)※上映終了

©︎ 2020 Prana Filmes

日時

上映中~2月15日(水)※上映終了

料金

一般¥1,900/シニア(60歳以上)¥1,300/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳) ¥1,000/ジュニア(15歳以下)¥800/UPLINK京都会員¥1,100(土日祝¥1,300)/UPLINK京都ユース会員(22歳以下)いつでも¥900

詳細 DETAIL

2021サンダンス映画祭 ワールド・シネマ・ドラマ部門 正式出品 審査員ドラマ大賞ノミネート

その雲に触れたら、10秒で死ぬ。

幻想か、もう一つの現実か——。
人間の心が暴かれる、ピンク色のディストピア。

ブラジルの新鋭、イウリ・ジェルバーゼのデビュー長編は思わぬ形で脚光を浴びた。2017年に脚本が書かれ、2019年に撮影された本作は、当初SFとして構想されていたにもかかわらず、世界的なパンデミックで一変した現実と重なった。自らの人生がフィクションに似てしまった現在、「かつてのリアリティが失われた物語」にこそ観客はリアリティを見出すことになったのだ。
外には一歩も出られず、部屋の中でしか生きられないディストピア。そこでジェルバーゼ監督が目指していたのは、ルイス・ブニュエル『皆殺しの天使』やジャン=ポール・サルトル『出口なし』のように、制限された状況下における生存競争ではなく人間の感情を描くことだった。
慣れ親しんだ日常を剥奪され、望まぬ非日常が日常になり変わろうとするとき、人間は何を欲望し何を選択するのか。ピンク色の雲の下、目の前に広がるのは安住の地か、終わらない悪夢か。雲はかたちを変えながら、まるで鏡のように見つめる者の心を照らしかえす。

【STORY】
突如現れた謎のピンクの雲によって部屋の中に閉じ込められた人々 楽観、倦怠、絶望——
一歩も外に出られないまま、やがて世界は少しずつ狂っていく

一夜の関係を共にしていたジョヴァナとヤーゴをけたたましい警報が襲う。突如として発生した正体不明のピンクの雲。それは10秒間で人を死に至らしめる毒性の雲だった。緊急事態下、政府はロックダウンの措置をとり、家から一歩も出られなくなった人々の生活は一変する。友人の家から帰れなくなった妹、主治医と閉じ込められた年老いた父、自宅に一人きりの親友……オンラインで連絡をとりあううち、いつ終わるともしれない監禁生活のなかで、彼らの状況が少しずつ悪い方へ傾き始めていることを知るジョヴァナ。そして、見知らぬ他人であったジョヴァナとヤーゴも現実的な役割を果たすことを迫られる。父親になることを望むヤーゴに反対するジョヴァナだったが、長年のロックダウン生活の中でやがて男の子・リノを出産する。パンデミック以前の生活を知らないリノは、家の中という狭い世界で何不自由なく暮らしており、父となったヤーゴも前向きに新しい生活に適応している。しかし、ジョヴァナの中で生じた歪みは次第に大きくなっていくのだった。

『ピンク・クラウド』(2020年/ブラジル/ポルトガル語/103分/カラー/シネスコ/5.1ch/英題:THE PINK CLOUD/原題:A NUVEM ROSA/PG12)
監督・脚本:イウリ・ジェルバーゼ
出演:ヘナタ・ジ・レリス、エドゥアルド・メンドンサ、カヤ・ホドリゲス、ジルレイ・ブラジウ・パエス、ヘレナ・ベケル
字幕翻訳:橋本裕充
配給・宣伝:サンリスフィルム