この旅が、彼の心を変えていく—
主演ヘンリー・ゴールディング
30年ぶりの故郷、サイゴン。過去の面影を巡る旅で〈自分〉を見つけた。

圧倒的な映像美で魅せる変わりゆくベトナムの“今”
ヘンリー・ゴールディングが、アイデンティティを探す旅路へと繰り出す
変わり果てた街に馴染めず、どこか旅行者のような主人公・キットを演じたのは『クレイジー・リッチ!』(18)で注目を浴び、『G.I.ジョー: 漆黒のスネークアイズ』の主演に大抜擢されハリウッドでも活躍中のヘンリー・ゴールディング。イギリス人の父とマレーシア人の母を持つことから、キットの持つ複雑なアイデンティティに強い共感を抱いたという。監督・脚本は、『追憶と、踊りながら』(14)のホン・カウ。カウもまたキット同様に、カンボジアから逃れてベトナムに渡ったのち8歳まで同国で過ごし、”ボート難民”として渡英していた過去を持つ。キットのアイデンティティをめぐる旅は、現代ベトナムを映し出した魅力的な風景を通してより深められる。サイゴンには、大量のバイクが道路を行き交い、巨大なビルが立ち並ぶ⼀方、ハノイは、古い町並みを残す。前者では新世代が活躍し、後者では旧世代が昔ながらの暮らしを営んでいるが、年齢的には新世代に属するキットが心安らぐのは後者だ。そこには彼にとって、懐かしい景色がまだ息づいている。故郷にいながらも孤独を感じているキットが、過去の面影を巡る旅の中で見つけた〈自分〉とは—?


【STORY】
キットは両親の遺灰を埋葬すべく、30年ぶりに祖国であるベトナムのサイゴン(現ホーチミン)に足を踏み入れる。彼は6歳のとき、家族とともにベトナム戦争後の混乱を逃れてイギリスへ渡った”ボート難民”だ。埋葬場所探しを開始するが思うようには進まない。サイゴンは今やすっかり経済成長を遂げ、かつての姿は見る影もなかった—。



『MONSOON/モンスーン』(2020年/イギリス、⾹港/85分/5.1ch /カラー/原題:MONSOON/G)
監督・脚本:ホン・カウ(『追憶と、踊りながら』)
出演:ヘンリー・ゴールディング、パーカー・ソーヤーズ、デイビット・トラン、モリー・ハリス
配給:イオンエンターテイメント