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SLEEP マックス・リヒターからの招待状 Max Richter’s Sleep

上映中~4月8日(木)※上映終了

©2018 Deutsche Grammophon GmbH, Berlin All Rights Reserved 

日時

上映中~4月8日(木)※上映終了

料金

一般¥1,900/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳) ¥1,000/シニア(60歳以上)¥1,300/ジュニア(15歳以下)¥800/UPLINK京都会員¥1,100(土日祝¥1,300)/UPLINK京都ユース会員(22歳以下)いつでも¥900

詳細 DETAIL

常識を覆し続けるグラミー賞ノミネートの作曲家マックス・リヒター

8時間以上におよぶ“眠り”のためのコンサート
「SLEEP」を“映画館”で体験できるドキュメンタリー

『ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった』『メイキング・オブ・モータウン』『マイルス・デイヴィス クールの誕生』————
音楽ドキュメンタリーの話題作が次々と公開されるなか、音楽と人間の関係を探る作品が登場した。時間に追われる現代社会。そんななかで、「眠り」をテーマにした8時間にも及ぶライヴ・パフォーマンス、「スリープ」が世界各地で開催されて注目を集めている。会場にはベッドが並べられて、観客は眠ることができるし、会場を自由に歩き回ることもできる。そんなユニークなライヴはどのようにして生まれたのか。「スリープ」の作曲/演奏を手掛けた音楽家、マックス・リヒターの素顔を追ったドキュメンタリーが『SLEEP マックス・リヒターからの招待状』だ。

2018年、ロサンゼルスのグランドパークで初めて「スリープ」の野外公演が行われた。そこには様々な思いを抱いた観客が集まり、ミュージシャンは長時間にわたる演奏に備えて準備に余念がない。その中心にマックス・リヒターがいた。クラシック、現代音楽、映画音楽など様々な分野で活躍するリヒターは、近年、注目を集める「ポスト・クラシカル」を代表する作曲家でもある。睡眠に興味を持ったリヒターは脳科学者のデイヴィッド・イーグルマンから話を訊くなど、睡眠について科学的にリサーチ。音楽と睡眠を融合させることで、観客を新しい音楽体験に導く「スリープ」を作り上げていくが、プロジェクトの成功の背景には、公私にわたるパートナー、ユリア・マールとの深い絆があった。

映画ではリヒターやマールへのインタビューを軸にしながら、「スリープ」の全貌を紹介。睡眠と脳の関係や音楽が人間に与える影響など様々なトピックに知的好奇心が刺激される一方で、リヒターが作曲家として成功するまでの苦難の道のりも紹介。支えあいながら人生を歩んできたリヒターとマールのドラマは感動的だ。監督を務めたのは、ボノやサム・スミスなど様々なミュージシャンとコラボレートしてきたナタリー・ジョンズ。自身も映像作家であるマールが才能を見込んでオファーしただけに、その繊細な演出と美しい映像で「スリープ」の魅力を浮かび上がらせていく。マールが15年間にわたって撮りためていたプライベート映像を加えられて、リヒターの素顔や創作の様子を間近で見られるのも貴重だ。そして、映画を通じて「スリープ」を疑似体験することもできる本作は、音楽ドキュメンタリーという枠を超えた感動をもたらしてくれるだろう。

【Story】

美しき眠りの世界へ、ようこそ

真夜中のロサンゼルス。グランドパークに設営された野外ライヴ会場に、一人の音楽家がやって来る。深夜から明け方まで続くコンサート、「スリープ」の作曲を手掛けたマックス・リヒターだ。コンサートは8時間に渡って切れ目なく続くため、リヒターをはじめ演奏者たちは準備に余念がない。やがて観客が入場。ステージの前には簡易ベッドが並び、観客は寝袋を出したり、毛布を広げたり、それぞれのやり方でコンサートに備える。ミュージシャンが演奏中に観客は寝てもいいし、会場を自由に歩き回っても、外に出ても構わない。そんな型破りなコンサートをリヒターが思いついたのは、睡眠に対する興味からだった。睡眠は人間にどんな影響を与えているのか。リヒターは脳科学者のデイヴィッド・イーグルマンに話を訊き、睡眠状態に適した音楽を探求していく。
作品ごとに大胆なコンセプトに挑戦するリヒターを支えるのが、映像作家として活動する妻のユリア・マールだ。「スリープ」のコンサートもリヒターとマールの共同プロジェクト。マールが自分の体験をリヒターに話したことがきっかけで、リヒターは長年温めていたアイデアに着手することになった。そして、リヒターが曲を書いている間、マールは理想的なコンサート会場を探して奔走する。マールはリヒターとの出会いや、デビューしたものの野心的な作品が認められずリヒターに仕事がなかった苦難の日々を振り返る。どんな時も2人を結びつけていたのは、家族の絆とアートに対する強い信念だった。一方、コンサートに参加した観客たちは、「スリープ」を聴きながら様々な思いを巡らせていた。パートナーとの関係を語るLGBTのカップル。教えている子供達のことを語る音楽教師など、彼らは「スリープ」を体験することで自分自身と向き合っていた。やがて空が白み始め、コンサートのフィナーレが近づいていく……。

『SLEEP マックス・リヒターからの招待状』(2019年/イギリス/英語/99分/シネスコサイズ/原題:Max Richter’s Sleep/映倫:G)
監督:ナタリー・ジョンズ
製作:ステファン・デメトリウ、ジュリー・ヤコベク、ウアリド・ムアネス、ユリア・マール
撮影:エリーシャ・クリスチャン
出演:マックス・リヒター、ユリア・マール、(ソプラノ)グレース・デイヴィッドソン、(チェロ)エミリー・ブラウサ、クラリス・ジェンセン、(ヴィオラ)イザベル・ヘイゲン、(ヴァイオリン)ベン・ラッセル、アンドリュー・トール
配給:アット エンタテインメント