日時
10月16日(金)~上映
料金
【特別料金】一般¥1,400/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳) ¥1,000/シニア¥1,000/ジュニア(15歳以下)¥800/UPLINK会員¥1,000/UPLINKユース会員(22歳以下)いつでも¥900/『DUMB TYPE 高谷史郎-自然とテクノロジーのはざま』の半券提示で¥900
10月16日(金)~上映
【特別料金】一般¥1,400/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳) ¥1,000/シニア¥1,000/ジュニア(15歳以下)¥800/UPLINK会員¥1,000/UPLINKユース会員(22歳以下)いつでも¥900/『DUMB TYPE 高谷史郎-自然とテクノロジーのはざま』の半券提示で¥900
ダムタイプ(Dumb Type)は1984年に京都市立芸術大学の学生を中心に演劇、ダンス、映像、美術、音楽、デザイン、建築など異なる領域の出身者によって結成されたメディア・アーティスト・グループ。プロジェクトごとにメンバーや表現方法を変化させる彼らのパフォーマンスは作品ごとに高く評価され、世界各国で上演されてきた。今回は『DUMB TYPE 高谷史郎-自然とテクノロジーのはざま』の公開を記念し、ダムタイプが所有するパフォーマンスの記録映像を特別に上映する。映画館のスクリーンと音響でダムタイプの傑作パフォーマンスの数々を体験するまたとない機会だ。
※古い記録映像のため画質が悪い作品がございます。予めご了承ください。
『036-Pleasure Life』 (1987年/81分/カラー) © dumb type
出演:古橋悌二、薮内美佐子、カティア・サゼヴィッチ、ジェイムス・シンクレア
フリースペースの空間に仮設された階段状の客席から観客は舞台を見おろす。正面の壁には4台のモニターが埋め込まれ、オシログラフなどの信号や、ビデオカメラから挿入されるライブ映像がミックスされ映し出される。フロアは人工芝で区画された36枚のパネルに,天井に設置されたスライド・プロジェクターから写真・文字や記号などが映し出される。これらの情報や刺激に4人の人間が反応・行動し、これらのメディアに働きかけることによって進行するライフ・フォーメーション・ゲーム。
『Pleasure Life』 (1988年/59分/カラー) © dumb type
出演:古橋悌二、薮内美佐子、カティア・サゼヴィッチ、ジェイムス・シンクレア、大内聖子
「プレジャー・ライフ」、それは人間とテクノロジーを巡る環境の物語である。コロニー、仮想の未来都市。高度にシステム化され自動化された快適な生活。舞台は格子状に分割され、コンピュータ制御のさまざまな装置がメッセージやノイズを発し、一見調和的だが時としてシステムが反乱を起こし極度な不調和を引き起こす空間の中で、4人の登場人物が現代の我々の生活を模倣する……。京都で活動を開始したダムタイプの東京初公演、また初のワールド・ツアーの幕を開ける作品である。
『pH』(1992年/66分/カラー) © WOWOW + dumb type
出演:ピーター・ゴライトリー、砂山典子、田中真由美、薮内美佐子、古橋悌二/映像演出:古橋悌二
タイトルは化学用語の水素イオン濃度指数に由来していて、二項対立の図式にそって(問い/答え、事実/虚構、公/私、現実/非現実など)13のシーンから構成されている。パフォーマンスのビデオ化にあたり、日本衛星放送WOWOWとのコラボレーションが実現。複数の公演会場で様々な角度から撮影された膨大な映像が古橋悌二によって編集され映像作品に仕上がった。TTVV-Riccione(イタリア)のSole d’Oro(黄金の太陽)賞、IMZダンス・スクリーン92(ドイツ)のベスト・ステージ・レコーディング賞を受賞。
『S/N』 (1995-2005年/86分/カラー) © dumb type
出演:石橋健次郎、鍵田いずみ、小山田徹、ピーター・ゴライトリー、砂山典子、高嶺格、田中真由美、古橋悌二、薮内美佐子/映像編集:高谷史郎/翻訳:アルフレッド・バーンバウム
タイトルは「シグナル/ノイズ」を意味し、音響機器等で信号に対するノイズの比率を表す「S/N比」に由来する。ジェンダー、エイズ、セクシュアリティなどを軸とし、人種、国籍、あらゆるマイノリティや性差別など、現代社会が抱える諸問題を正面から捉え、具体的なアクティヴィズムまでも巻き込み展開された。この作品で、舞台上で自らゲイでありHIV感染者であることを公表していた古橋悌二は、1995年10月29日エイズによる敗血症のため逝去。古橋の死後も5カ国・6都市で上演され多くの人々に影響を与え続けた。
1995年に急逝した古橋悌二が残したコンセプトノートを出発点に制作。それは古橋が大切な人を亡くした体験から「生と死の境界について、どれほど科学はその境界を制御できるか、どれほど我々の精神はその境界を制御できるのか」と書かれていた。舞台は半円筒形の白いスクリーンだけの真っ白な空間。強力なストロボ照明によるホワイトアウトの創出と強烈な音響・映像。「自己と非自己のボーダー」「生と死の間に横たわるグレイゾーン」などの考察が試みられた。
『memorandum』 (2000年/75分/カラー) © dumb type
出演:大内聖子、川口隆夫、砂山典子、田中真由美、藤原マンナ、前田英一、薮内美佐子、尾﨑聡
映像編集:高谷史郎/音楽編集:池田亮司
プロジェクトに関わるメンバーが「記憶」についての考えや意見を交わすことから出発し、そこで発生してくる共鳴や差異を様々なかたちで発展させた作品。舞台全面を覆う半透明のスクリーンは、まるで記憶のように、向こう側にいるパフォーマーの姿を、スクリーンに近づくとはっきりと、遠ざかるとぼんやりと曖昧なものにする。舞台上を覆う映像と音響の流れの速度と密度が人間の知覚の限界に迫るとき、それは過剰露出されたフィルムのように真っ白な状態に近づいてゆく。あたかも落下しながら静止して見える凍った瀑布のように。
現代のテクノロジーにおいて私たちはもう道に迷うことはない。GPSやナビゲーション・システム、携帯電話でも現在位置がわかる。しかし、これらのテクノロジーのどれが、私たちの心の居場所を教えてくれるだろうか。舞台上では二人の人物が身体をすり合わせるほど近くにいるのに相手が見えていないかのように互いを探し続けている。スクリーンに映し出された行き先と便名の表示されたボードが次々と出発を知らせるが、フライトは遅延し、やがてキャンセルになる。舞台全面の鏡の床は漆黒の暗闇と無重力を生み出し、時間と空間の様々な概念の「旅」が描かれた。