『わたしはロランス』で一気に映画ファンの注目を集め、最新作『Mommy(原題)』がJ.L.ゴダールの作品と共に2014年のカンヌ国際映画祭審査員賞に輝いた弱冠25歳の美しき天才、グザヴィエ・ドランの新境地!
これまでの作風とは打って変わり、現代カナダを代表する劇作家ミシェル・マルク・ブシャールによる同名戯曲の映画化で、初めてサイコスリラーというジャンルに挑んだ意欲作。監督、主演をはじめ、編集、衣装も全てドランが担当。オリジナル・スコアを映画音楽界の鬼才ガブリエル・ヤレドが手掛けた。2013年のベネチア国際映画祭でコンペティション部門にノミネートされた本作は国際批評家連盟賞に選ばれ、各国の批評家から「ドランの最高傑作」と評された。
隠された過去、罪悪感と暴力、危ういバランスで保たれる関係、閉塞的な土地で静かに狂っていく日常。ケベックの雄大な田園地帯を舞台に、一瞬たりとも目を離すことのできないテンションで描き切る、息の詰まるような愛のサイコ・サスペンス。
モントリオールの広告代理店で働くトム(グザヴィエ・ドラン)は、交通事故で死んだ恋人のギョームの葬儀に出席するために、ギョームの実家である農場に向かう。そこには、ギョームの母親アガット(リズ・ロワ)と、ギョームの兄フランシス(ピエール=イヴ・カルディナル)が二人で暮らしていた。
トムは到着してすぐ、ギョームが生前、母親にはゲイの恋人である自分の存在を隠していたばかりか、サラ(エヴリーヌ・ブロシュ)というガールフレンドがいると嘘をついていたことを知りショックを受ける。さらにトムはフランシスから、ギョームの単なる友人であると母親には嘘をつきつづけることを強要される。
恋人を救えなかった罪悪感から、次第にトムは自らを農場に幽閉するかのように、フランシスの暴力と不寛容に服していく……。
『トム・アット・ザ・ファーム』(2013年/カナダ=フランス/102分/フランス語/カラー/1:1.85/DCP/原題:Tom à la ferme)
監督・脚本・編集・衣装:グザヴィエ・ドラン
原作・脚本:ミシェル・マルク・ブシャール
音楽:ガブリエル・ヤレド
出演:グザヴィエ・ドラン、ピエール=イヴ・カルディナル、リズ・ロワ、エヴリーヌ・ブロシュ
配給・宣伝:アップリンク
特別協力:ケベック州政府在日事務所
後援:カナダ大使館